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アメリカの反知性主義

ANTI-INTELLECTUALISM IN AMERICAN LIFE


アメリカの宿痾を剔抉し、ピュリッツァー賞に輝く名著。
いまや現代日本にも蔓延する「反」知性主義という妖怪。その正体を見極めるに恰好の古典。
―― 竹内洋(京都大学名誉教授)

1952年、マッカーシー旋風の吹き荒れるなかで行なわれた大統領選挙は、「知性」と「俗物」が対立する図式となった。そして後者、すなわちアイゼンハワー=ニクソン・コンビが圧勝し、知識人も批判派も「アメリカ社会が知識人を否認した」ことを理解した――「知識人階級と大衆のあいだに巨大で不健全な断絶があることが明白になった」(『タイム』)、「知識人は今後、所得税から真珠湾攻撃まで、あらゆることの罪を背負わされるだろう」(シュレジンジャー二世)。さらにこのムードはアメリカ社会のすべての分野に広がり、「反知性的」という表現はアメリカ人が自己評価に使うもっとも重要な形容詞となった。
著名な歴史家のホーフスタッターも、この政治的・知的状況に触発され、「反知性主義」の概念を軸にしてアメリカ史をさかのぼる。ピューリタニズムと建国の精神を再検討し、18世紀中ごろにアメリカ植民地に広まった信仰復興運動から20世紀後半にカリスマ的存在となったビリー・グレアムにいたる系譜、「専門家」の重用をめぐる知識人と政治の確執、実業界に浸透した実用主義、ジョン・デューイの教育思想が受容されるまでの紆余曲折、マーク・トウェインやソローの文学などを精査する。
しかし著者の意図は、アメリカの精神風土をもっぱら批判断罪することではなく、知識人とは何か、知識人は民主主義の実現に貢献する力になれるのかと問いつづけて止まない。読者には、アメリカの知的伝統とは何かを逆に問う、著者の熱い思いが伝わるだろう。感動のノンフィクションであり、アメリカ史の古典である。


目次


はじめに

第一部 序論
第1章 現代の反知性主義
第2章 知性の不人気

第二部 心情の宗教
第3章 福音主義の精神
第4章 福音主義と信仰復興論者
第5章 近代性への反乱

第三部 民主主義の政治
第6章 ジェントルマンの凋落
第7章 改革者の運命
第8章 専門職の興隆

第四部 実用的な文化
第9章 ビジネスと知性
第10章 自助と霊的テクノロジー
第11章 ひとつのテーマをめぐる諸相

第五部 民主主義の国の教育
第12章 学校と教師
第13章 生活適応への道
第14章 子どもと世界

第六部 結論
第15章 知識人 疎外と体制順応

原注
訳者あとがき
索引


著訳者略歴

リチャード・ホーフスタッター
Richard Hofstadter

1916年、ニューヨーク州バッファローに生まれる。バッファロー大学卒業後、コロンビア大学で修士、博士号取得。1952年からコロンビア大学歴史学教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
田村哲夫
たむら・てつお

1958年東京大学法学部卒業。住友銀行勤務を経て、(学)渋谷教育学園理事に就任。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

向井万起き男(病理医)
<2015年11月25日:朝日新聞(スポーツ面)>
手嶋龍一<2016年4月24日:毎日新聞「この3冊」>
大島三緒(論説副委員長)
<2017年3月30日(木):日本経済新聞「Opinion」>
鈴木英生(東京学芸部)
<2015年7月22日:毎日新聞「オピニオン・記者の目」>
竹森俊平(慶應大教授)
<2016年9月2日(金):読売新聞・国際経済>
渡辺靖(慶應大学教授)
<2016年6月12日:日本経済新聞「今を読み解く」>

この本の関連書


「アメリカの反知性主義」の画像:

アメリカの反知性主義

「アメリカの反知性主義」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/464頁
定価 5,616円(本体5,200円)
ISBN 4-622-07066-9 C1030
2003年12月19日発行

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