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ロールズ 哲学史講義 下<品切>

LECTURES ON THE HISTORY OF MORAL PHILOSOPHY


「自由の要請はいっそう根本的なものである。それはわたしたちの理性が自然の秩序から独立であることを、またしたがって純粋理性の自発性を、前提することだからである。そのようなものとして、自由の要請は、自己の行為にたいして責任能力と弁明能力があると見なされるわたしたちの存在の基盤なのである。」(「カント VIII」より)

ロールズ教授によるハーバード大学名講義の下巻は、カント講義の後半から、終章のヘーゲル講義にいたる。

真なる前提と正しい推論によって妥当するカントの道徳的構成主義。わたしたちの思考と判断の最高権威である道徳法則。そして、絶対的に自発的である純粋実践理性による自由の理念。こうしてカントの道徳的構想は、自由で平等な人格としての全員による貴族制を望見する。

いっぽうヘーゲルにとって、諸個人は独力では自由でありえない。家族、市民社会、国家という合理的な社会的諸制度が、公民の自由を可能にし、そして実現する。ここから道徳哲学をめぐるロールズの議論は、ヘーゲルにおける人倫とリベラリズム、理性の狡知と精神へ移行していく。

『実践理性批判』や『宗教論』、『法哲学綱要』をおもなテキストに、自由な個人から社会契約へ、そして国家論へと展開していく、ロールズ版哲学史のクライマックス。


目次


カント V  正しさの優位性と道徳法則の対象
第1節 序論
第2節 善についての六つの理解(前半三種)
第3節 善についての六つの理解(後半三種)
第4節 自律と他律
第5節 正しさの優位
第6節 真の人間的欲求についての注

カントVI  道徳的構成主義
第1節 合理的直観主義――最後の一瞥
第2節 カントの道徳的構成主義
第3節 構成主義的手続き
第4節 考察と異論
第5節 客観性についての二つの理解
第6節 定言命法――どのようにして総合的かつア・プリオリなのか?

カント VII  理性の事実
第1節 序論
第2節 理性の事実についての最初のパッセージ
第3節 第二のパッセージ――〔『実践理性批判』〕分析論第1章第5~8節
第4節 第三のパッセージ――〔『実践理性批判』〕分析論第1章への付論I、第8~15段落
第5節 カントが道徳法則の演繹を断念しえた理由
第6節 道徳法則はどのような種類の認証をもちうるか?
第7節 理性の事実についての第五、六のパッセージ
第8節 結論

カントVIII  自由の法則としての道徳法則
第1節 構成主義と適正な反省とについての結論的考察
第2節 二つの観点
第3節 ライプニッツの自由論へのカントの反論
第4節 絶対的自発性
第5節 自由の法則としての道徳法則
第6節 自由についての諸見解
第7節 結論

カント IX  『宗教論』第一編の道徳的心理学
第1節 三つの素質
第2節 自由な選択意志
第3節 悪の起源の合理的な表象
第4節 マニ教的な道徳心理学
第5節 わたしたちの人格の内なる道徳的動機づけの複数の根

カント X  理性の統一性
第1節 実践的観点
第2節 道徳法則の対象としての諸目的の国
第3節 道徳法則の対象としての最高善
第4節 理性信仰の諸要請
第5節 理性的信仰の内実
第6節 理性の統一性

ヘーゲル
ヘーゲル I  ヘーゲルの『法哲学綱要』
第1節 序論
第2節 和解としての哲学
第3節 自由な意志
第4節 私的所有
第5節 市民社会

ヘーゲル II  人倫とリベラリズム
第1節 人倫――義務の説明
第2節 人倫――国家
第3節 人倫――戦争と平和
第4節 第三の選択
第5節 リベラリズムの批判者としてのヘーゲルの遺産

付録 講義の概略――道徳哲学の諸問題
『ロールズ哲学史講義』を読むために――「訳者解説」に代えて
監訳者あとがき
索引


著訳者略歴

ジョン・ロールズ
John Rawls

1921年2月21日、アメリカ合衆国ボルチモアに生まれる。1950年にプリンストン大学で学位を取得。コーネル大学を経て、ハーバード大学で政治哲学、社会哲学を教えた。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
坂部恵
さかべ・めぐみ

1936年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科満期退学。桜美林大学客員教授。東京大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「ロールズ 哲学史講義 下」の画像:

ロールズ 哲学史講義 下

「ロールズ 哲学史講義 下」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/256頁
定価 4,840円(本体4,400円)
ISBN 4-622-07112-6 C1031
2005年3月24日発行
<ただいま品切です>