「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



理性の使用

ひとはいかにして市民となるのか

著者
富永茂樹

カントは「啓蒙とはなにか」という問いに答えて、それが、「未成年状態からの脱却」つまり他者に指導されることなしに自身の悟性を使用できる状態に到達することであると述べ、そのために必要なのは「理性の公的な使用の自由」であると説いた。

そして、フランス革命期においてもっとも有名になったパンフレット『第三身分とはなにか』でシエースは、「第三身分はなにを要求するのか」に「なにものかになること」ときっぱりと応答することになる。

本書は、18世紀後半に、また革命期に構想され、しかしさまざまな困難に遭遇した啓蒙と市民の形成にかかわる議論、コンドルセの教育論からシエースの社交に対する無関心を示唆する言説、さらにはピネルの狂人の社会化をめぐる論理などを、力強くしなやかに分析・批評してゆく。

世界のなかに散らばりながら、読書をとおしてみずからを啓蒙し、公衆の一部としての市民になる人間存在。その社会化や社交、コミュニケイションという具体的な場に理性をおくことで、それがもつ政治的性格を明らかにし、さらには、理性の使用が語られるさまを見ることによって、近代以降の世界に生きるわれわれ自身のありようにまでかかわる問題にふみこむ本書は、現代の学問水準を示すとともに、ひととひとの交流について示唆を与えてくれるだろう。



著訳者略歴

富永茂樹
とみなが・しげき

1950年、滋賀県生まれ。京都大学人文科学研究所教授。知識社会学。著書『健康論序説』(河出書房新社、1977)『都市の憂鬱』(新曜社、1996)『ミュージアムと出会う』(淡交社、1998)他。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

著者からひとこと

船と駱駝、18世紀の終わりころに開始したのを確認できる事態にとってぜひとも必要なもの、世界のなかに散在し、あるいはその片隅に閉じこもっているわれわれに、あらためてコミュニケーションを可能にしてくれると『永久平和論』のカントが奨めるものはいったいどこで出会えるのだろうか。 ...続きを読む »

この本の関連書


「理性の使用」の画像:

理性の使用

「理性の使用」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 4,180円(本体3,800円)
ISBN 4-622-07130-4 C1036
2005年1月24日発行

この本を購入する