温暖化の〈発見〉とは何か
THE DISCOVERY OF GLOBAL WARMING
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 296頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-07134-1 |
Cコード | C0040 |
発行日 | 2005年3月15日 |
THE DISCOVERY OF GLOBAL WARMING
判型 | 四六判 |
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頁数 | 296頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-07134-1 |
Cコード | C0040 |
発行日 | 2005年3月15日 |
地球温暖化問題はわかりにくい。どれくらい「危機」なのか? それが白か黒かで割り切れない問題なら、私たちは何を根拠にすみやかな対策を迫られているのか?
本書は地球温暖化の科学史をたどりなおす試みである。人間活動による“正味の”温暖化が科学的に認められ、その影響が危惧すべきものと認められるまでには、いくつもの歴史的な研究成果が蓄積されなければならなかった。地質学/地球物理学上の新知見、シミュレーションによる気候モデルの進歩、急速な気候シフトが起こりうる動的な地球システムという新パラダイムなどだ。それらが量的に信頼できるほど精密になることも必要だった。少数の決定的なデータから「定説」ができるほど話は単純ではない。
温暖化研究の基石となった科学的事件の多くが、研究者たちの苦心や興奮とともに、この一冊の中で明快に紹介されている。彼らの体験した温暖化〈発見〉の過程を追体験することで、私たちも温暖化とはいかなるものかを、ようやく〈発見〉できる。
温暖化を「一時的な問題」「データを政治的・恣意的に使った科学的虚構」とする異論は今日も消えない。それは研究分野が科学的に健全に営まれていれば当然のことだろう。だがそのような専門的な論争の言わば“断片”が、各種メディアを通じてひとり歩きし、地球環境に関する誤解と混乱を煽るのはやっかいだ。本書はそれに振り回されない公平かつ明晰な事実認識を得るための、最初の拠りどころとして格好の一冊である。
(以下は、本書巻末「解説」の読書案内を解説者が2021年10月時点でアップデートしたものです。解説者のウェブサイトhttp://macroscope.world.coocan.jp/ja/reading/weart2003.htmlにも情報があります。)
『絵でわかる地球温暖化』渡部雅浩著(講談社、2018年)
気候システムと地球温暖化に関する自然科学的知見への入門書。
『地球温暖化の予測は「正しい」か──不確かな未来に科学が挑む』江守正多著(化学同人、2009年)
地球温暖化の予測型シミュレーションとはどのようなものか、その実施にかかわった研究者による解説。
『地球温暖化──そのメカニズムと不確実性』日本気象学会 地球環境問題委員会編(朝倉書店、2014年)
地球温暖化に関する自然科学的知見についてのやや専門的解説集。
『地球温暖化の事典』国立環境研究所 地球環境研究センター編(丸善出版、2014年)
地球温暖化の科学的基礎、影響、対策にわたる解説集。生態系や人間社会への影響に重点がある。
『気候変動を理学する──古気候学が変える地球環境観』多田隆治著(みすず書房、2013年)
海底堆積物から過去の環境をさぐってきた研究者による、気候の変動の実態と原因論についての講義録。
『地球環境問題とは何か』米本昌平著(岩波新書、1994年)
温暖化問題の政治的側面に関する論考。IPCC発足と冷戦終結を関連させて論じている。
『科学と社会のインターフェース』成定薫著(平凡社、1994年)
アメリカ合衆国の科学政策の歴史的考察、科学的知識と社会との関係についての複数の観点の紹介などを含む科学論集。
『科学的助言──21世紀の科学技術と政策形成』有本建男・佐藤靖・松尾敬子著(東京大学出版会、2016年)
政策決定への専門家による助言の体制についての論考。IPCCをひとつの代表例として扱っている。
序文
第1章 気候はいかにして変わりうるのか?
第2章 可能性を発見
第3章 微妙なシステム
第4章 目に見える脅威
第5章 大衆への警告
第6章 気まぐれな獣
第7章 政治の世界に入り込む
第8章 発見の立証
本文を振り返って
年表(過去の画期的出来事)
解説
原註
参考文献
索引
地球環境科学の分野の性格は、本書に書かれているような経緯を知らないと非常にわかりにくい。「温暖化」は虚構だ、いやそうではないという議論に振り回されない定見を、専門家だけでなく、みんなで持ちたい──そのための本だと思っています。
https://history.aip.org/climate/
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