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ロールシャッハ解釈の諸原則

PRINCIPLES OF RORSCHACH INTERPRETATION


ロールシャッハ研究の牽引者の一人であるI・B・ワイナーが、きわめて包括的かつ実践的な手引きとして著した、ロールシャッハ・データ解釈のガイドライン。待望の邦訳であり、検査者・研究者ともに必携の一冊である。

第I部ではロールシャッハ法の特徴に関連して留意すべき諸問題、標準データの意義と年齢・性別・文化に関する注意点などがとりあげられる。第II部では包括システムのクラスター探索戦略の方法とその意義を、とくに実践上のポイントに注目して解説する(3章)。また、投影と図版の誘引(card pull)(4章)、構造的変数(5章)、テーマ解釈(6章)、テスト行動(7章)、継起分析(8章)のそれぞれについて、解釈上直面しうるさまざまな問題を仔細にとりあげ、対応の指針を示す。第III部ではいくつかの症例をとりあげ、ロールシャッハ解釈のモデルを示す。

懇切丁寧な手引きではあるが、マニュアルとして捉えられることは本書の趣旨に反するだろう。妥当性・客観性・信頼性のある査定の勘所を会得するための最初の拠りどころとして本書は書かれている。ここに示されている諸原則は解釈への欠くべからざる土台であり、スタートラインである。


目次


序文
謝辞

PART I ロールシャッハテストについての基本的考察
1 ロールシャッハの性質
 ロールシャッハの客観的な特徴と主観的な特徴
投影の役割/あいまいさの役割/結び
 知覚と連想のロールシャッハ測定法
伝統的な見解/現在の視点/法則定立的見方と個別記述的見方/結び
 パーソナリティ構造とパーソナリティ力動のロールシャッハ査定
 テストとしてのロールシャッハ、あるいは方法としてのロールシャッハ
 RIMの心理測定的基礎
歴史的展望/現在のデータ
2 ロールシャッハ解釈へのアプローチ
 解釈の正当化の根拠:霊応盤的、権威的、経験的、概念的アプローチ
霊応盤的アプローチ/権威主義的アプローチ/経験的アプローチ/概念的アプローチ
 解釈の公式化:構造、テーマ、行動、そして継起分析の観点から
構造的特徴/テーマ的特徴/行動的特徴/継起分析
 解釈における年齢、性別、そして異文化の考察
年齢に関する考察/性別に関する考察/文化的背景に関する考察〈RIM変数の解釈的意味/反応コード化に関する文化的影響/言語の影響/適応のためのパーソナリティ特性の意味〉

PART II ロールシャッハ解釈における諸要素
3 包括システム探索戦略
 変数のクラスターへの分類
クラスター・アプローチの実践的意味〈反応総数、プロトコルの妥当性と反応数の少ない記録の解釈/S-CON、および、内容カテゴリー〉/クラスター・アプローチの概念的意義〈人物中心的解釈/統合された解釈〉
 継列的探索戦略の使用
柔軟性と臨床上の妥当性/精神病理のパターンの鑑別/理論的な近づきやすさ
4 ロールシャッハ反応における、投影と図版の誘引
 投影の影響をモニタリングする
 図版の誘引の影響を確認する
明白な図版の誘引/暗黙の図版の誘引
 10枚のインクブロットの一般的な意味
カードI/ カードII/カードIII/カードIV/カードV/カードVI/カードVII/カードVIII/カードIX/カードX
5 構造的変数の解釈
 体験へのかかわり方
体験に開放的であること(ラムダ)/情報の効率的な組織化(Zd)/出来事を現実的・慣習的に知覚すること(X-%,W:D:Dd,Xu%,P)〈X-% / W:D:Dd / Xu%とP〉
 観念化の使用
論理的な思考と首尾一貫性(Wsum6)/思考の柔軟性(a:p)/思考の建設生(Ma:Mp)/適度に考えること(EBPer,INTELL,FM+m)〈EBPer / INTELL / FM-+m〉
 感情の調節
感情の十分な調節(Afr,WSumC:SumC’)〈Afr / WSumC:SumC’〉/感情を気持ちよく調節する(SumC’,Col-Shd Bld,SumShd,S)〈SumC’ / Col-Shd Bld / SumShd / S〉/適度に調整された感情(EBPer,FC:CF+C,CP)〈EBPer / FC:CF+C / CP〉
ストレス・マネージメント
適切な資源の動員(EA,CDI)〈EA / CDI〉/主観的に感じられる苦悩の軽減(D,AdjD)〈D / AdjD〉/一貫性の維持(EB Style)
 自己観察
妥当な自己評価の維持(Fr+rF,3r+(2) / R)〈Fr+rF / 3r+(2) / R〉/肯定的な自尊心の促進(V,MOR)〈V / MOR〉/自己への気づきを強めること(FD)/安定したアイデンティティの感覚を形成すること[H:Hd+(H)+(Hd)]
 他者との関係
対人的関心、かかわり合い、楽しみの維持(SumH,[H:Hd+(H)+(Hd)],ISOL)/対人的な親密さと安全の予測(SumT,HVI)〈T / HVI〉/対人的な強調および従順と、競争および主張のバランスをとる(COP,AG,a:p)〈COP / AG / a:p〉/対人的共感の補足(Accurate M)
6 反応内容のテーマを解釈する
 テーマ的イメージの豊かな反応を見いだす
 連想を作り出し、解釈仮説を形成すること
歪められた形態反応/運動/さまざまな潤色
 テーマ解釈の妥当性を判断する
重要な反応の識別/控えめな推論を採用すること/説得力あるテーマを見極めること
 特定の反応内容のテーマに与えられる意味
人間のタイプ/動物像のタイプ/物体のタイプ/活動のタイプ/解剖のタイプ
7 テスト行動の解釈
 カード回転と扱い方
好奇心による回転/規則的な回転/無秩序な回転/反抗的な回転/回避のための回転/カードの扱い
 コメントと個人的なもの
コメント〈反応と関連するコメント/自己に関するコメント/検査者に関するコメント〉/パーソナル〈自己を正当化するパーソナル/自己を誇張するパーソナル/自己を開示するパーソナル〉
 表現様式と対人関係の様式
RIM課題への取り組みと、回避〈話題を変える/責任の否認/反応を控えること〉/言葉の用い方〈語数/修飾語句/反応の終わり方〉/感情の示し方/対人関係の様式
8 継起分析への指針
 継起分析の履行
 継起的解釈のためのモデル
 反応の質のモニタリング

PART III 適応における強さと弱さを特定する:具体的事例とその解釈
9 ケースの説明をはじめるにあたって
10 体験へのかかわり方
 症例:事務上の目的で評価されたある女性の用心深さ
認知の問題/ストレス・マネージメントの問題/感情の問題/自己知覚および対人知覚の問題
11 観念化すること
 症例:妄想型統合失調症の男性の情緒的な破綻
認知の問題/ストレス・マネージメントの問題/感情の問題/自己知覚と対人知覚の問題
12 感情を調節する
 症例:二面的な生活を送っている女性の気づかれないうつ病
感情の問題/ストレス・マネージメントの問題/自己知覚および対人知覚の問題/認知の問題
13 ストレス・マネージメント
 症例:殺人の幇助犯として訴えられた10代の暴力グループのメンバー
ストレス・マネージメントの問題/感情の問題/自己知覚および対人知覚の問題/認知の問題
14 自己観察と他者との関係
 症例:自らの道を突き進む暴力の可能性をもつ男性
自己知覚および対人知覚/感情の問題/ストレス・マネージメントの問題/認知の問題

参考文献
訳者あとがき
索引


著訳者略歴

アーヴィング・B・ワイナー
Irving B. Weiner

1933年生まれ。ミシガン大学にて臨床心理学のPhDを取得。ロチェスター医科歯科大学教授、ケイスウェスタンリザーヴ大学心理学科長、同大学教授、デンバー大学人文科副学長、同大学心理学科教授などを歴任。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
秋谷たつ子
あきたに・たつこ

1923年生まれ。東京女子大学哲学科を卒業後、名古屋大学医学部精神医学教室、上智大学心理学科を経て、順天堂大学医学部精神医学講座助教授に就任。1988年に退任。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
秋本倫子
あきもと・みちこ

上智大学外国学部フランス語学科卒業後、上智大学大学院文学研究科教育学専攻心理コース博士課程前期修了。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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「ロールシャッハ解釈の諸原則」の画像:

ロールシャッハ解釈の諸原則

「ロールシャッハ解釈の諸原則」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/440頁
定価 7,992円(本体7,400円)
ISBN 4-622-07136-3 C3047
2005年3月23日発行

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