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仁科芳雄【新装版】

日本の原子科学の曙


1920年代のヨーロッパ。量子力学の新理論が澎湃として湧き起こる現場に飛び込み、科学史の転換点をつぶさに見とどけたひとりの日本人がいた。仁科芳雄(1890-1951)、彼は、日本における原子核物理学のパイオニアとして広くその名を知られる。本書は、この学問の黎明を仁科とともに体験し、今日にいたる多彩な展開をみずから担ったひとびとによる、貴重な証言集である。

仁科が持ち帰ったものは、先端の研究成果のみにとどまらない。師弟間の自由な議論、巨大な実験装置の製作、チームの力による専門の枠を越えた研究――それらはこの国の研究風土に新風をもたらし、現代的ビッグ・サイエンスヘの最初の道を拓いた。それを支えたのが、当時の理化学研究所に集う気鋭の集団であった。

しかし戦争に突入していく日本において、原子科学は試練を免れなかった。基礎研究の灯を守るべく、仁科は模索を続ける。原子爆弾の炸裂、占領初期にふりかかった困難、それを乗り越えて日本の科学が国際社会への復帰を果たした直後、仁科は研究者として、組織者としての全力疾走の生涯を終えた。」

ここに収録する多くの写真は、「親方」と親しまれた仁科芳雄の人柄を知るよすがであるとともに、現代史の重要な記録でもある。20世紀科学のあり方を考えるとき、欠かせないドキュメント。


目次


仁科芳雄博士小伝 ……玉木英彦

I 時代
仁科先生 ……朝永振一郎
理研時代と日本の物理学 ……辻 哲夫
コペンハーゲンの仁科博士 ……木村健二郎
ボーア・グループとコペンハーゲン精神 ……堀 健夫
明治の科学者 ……岡部昭彦
二〇世紀の初頭に物理学は変った ……江沢 洋
世界の学界に窓を開く ……玉木英彦

II 研究
研究の日々 ……O・クライン
理論研究 ……小林 稔
霧箱による宇宙線の研究 ……竹内 柾
電離箱、計数管による宇宙線研究 ……宮崎友喜雄
理研のサイクロトロン ……田島英三
仁科芳雄とアイソトープ ……斎藤信房
トレーサーと植物生理の研究 ……中山弘美
仁科先生と放射線生物学 ……森脇大五郎
仁科芳雄先生と同位体分離 ……中根良平
わたしの仁科研究室 ……岡野真治

III 回顧
叔父・仁科芳雄の思い ……仁科嘉治男
仁科さんと父の回想 ……A・ボーア
日常の生活 ……M・ボーア
仁科研究室物語 ……竹内 柾
宇宙線事始と「親方」 ……島村福太郎
仁科研究室にはいってから ……山崎文男・藤岡由夫
科学研究所と仁科先生 ……玉木英彦
父の感じた日本の後進性 ……仁科雄一郎
父芳雄のの留学生活 ……仁科浩二郎

仁科芳雄年譜
仁科芳雄に関する参考文献
初出一覧
あとがき
仁科芳雄学術論文リスト
人名索引


著訳者略歴

玉木英彦
たまき・ひでひこ

1909年生。東大物理学科卒。34年理研仁科研究室に入る。52年東大教授。東大名誉教授、仁科記念財団常務理事。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
江沢洋
えざわ・ひろし

1932年生。東大物理学科卒。学習院大教授。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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仁科芳雄【新装版】

「仁科芳雄【新装版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/344頁
定価 4,104円(本体3,800円)
ISBN 4-622-07168-1 C1042
2005年10月7日発行

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