みすず書房

都市と文学

前田愛対話集成 II

判型 四六判
頁数 376頁
定価 5,280円 (本体:4,800円)
ISBN 978-4-622-07183-9
Cコード C1095
発行日 2005年12月19日
備考 現在品切
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都市と文学

『近代読者の成立』『幻景の明治』『都市空間のなかの文学』ほか、近世・近代文学を自在に往還しつつ、実証的かつスリリングなテクスト読解を提示、また内外の同時代理論をしなやかに吸収しながら独創的な問題系を提起しつづけた前田愛(1931-1987)。国文学研究において切り開いたその地平は、ジャンルを越えて今日もなお立ち返るべき思索の橋頭堡である。単行本未収録の対談・座談を精選、その全体像を浮き彫りにする集成、全2巻。

[第II巻] 明治→大正→昭和。東京はどのように変貌をとげ、どのような記憶を内蔵しているか? 近現代文学は都市をいかに映し出し、固有の時空を築きあげてきたか? 建築・都市と文学、作品と読者、批評と研究の歴史的相関をあざやかに照らし出す「空間‐場所論」の展開。磯崎新、磯田光一、奥野健男、清水徹、谷沢永一、野口冨士男、山口昌男ほかとの対話。解説・金子明雄。

目次

I 東京を読む
「東京 その表層と基層」  磯崎新/鈴木志郎康
「東京 肥大する都市空間の謎」  清水徹
「街と建物・明治以降」  野口冨士男
「伝承されるべき住文化」  上田篤

II 都市と文学
「都市文学論の新地平」  山口昌男
「『舞姫』の記号学」  山口昌男
「都市と文学——ドストエフスキーへの新しい視座」  川端香男里
「文学にあらわれる都市空間」  奥野健男
「空間 明治と昭和」  磯田光一

III 批評と研究
「読者論・読書論の今日的意味」  清水徹/山田有策
「批評と研究の接点・その後」  磯田光一/谷沢永一/吉田熙生
「小林秀雄のキーワード」  吉田熙生