みすず書房

死と歴史【新装版】

西欧中世から現代へ

ESSAIS SUR L’HISTOIRE DE LA MORT EN OCCIDENT

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 304頁
定価 3,850円 (本体:3,500円)
ISBN 978-4-622-07193-8
Cコード C1022
発行日 2006年2月20日
備考 現在品切
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死と歴史【新装版】

中世以降の遊びや服装、学校、家族の変遷への注視から〈子供〉というカテゴリーが、長い歴史のなかで近代の所産であることを示してみせたアリエスの前著『〈子供〉の誕生』は、教育学・社会学・歴史学の諸領域に大きな衝撃を与えた。

本書は、12世紀から今までの、人間の禁忌のテーマ〈死〉〈死を前にしての態度〉について、その変わった部分と変わらない部分、そして20世紀の産業化・都市化の果ての未曽有の断絶についての考察である。

未来と現代の死は、隠されて冷たい管理化されたものとなるであろうか。しかし、かつて古く長く、死は人々と親しく、友人、家族とともに熱い濃密な環境にあった。トルストイは、寒駅アスターポヴォで臨終のさい問うた、「ロシアの農民たちはどんなふうに死んでいったのか」。著者は言う、「それは『ロランの歌』のロンスヴォー谷での〈死が頭から心臓へ降りてゆくのを感じた〉姿であり、ドン・キホーテの〈わが妹よ、私は死が近づいているのを感じる〉という賢明な認知の姿でもある」。

さらに、死者の思い出が儀礼と言葉で飾られたロマン派の世紀を経て、現代へ。著者の問題観と感性・方法がみごとに融けあって現代人の省察に応えるものとなった。