秋の四重奏
文学シリーズ lettres
QUARTET IN AUTUMN

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 248頁 |
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-07216-4 |
Cコード | C0097 |
発行日 | 2006年5月23日 |
備考 | 現在品切 |

QUARTET IN AUTUMN
判型 | 四六判 |
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頁数 | 248頁 |
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-07216-4 |
Cコード | C0097 |
発行日 | 2006年5月23日 |
備考 | 現在品切 |
ロンドン、全員ひとり暮らしの男女が四人。共に、同じ会社に勤め、定年間近の年齢である。まず女性二人が退職する。そのうち、マーシャがやがて亡くなり、レティは老後の生活になんとか順応しようと努める。男たち、エドウィンとノーマンはまだ勤めているが、まもなく会社を去ることになるだろう。こうした四人の平凡な日常風景——職場のやりとりや昼食、互いのささやかな思いやりやすれ違い、ヴァカンスやクリスマスの計画、遺産相続などが淡々と描かれるだけで、何であれ、劇的な事件には発展しない。マーシャの死さえも日常生活の中の一齣にすぎない。これら凡庸な四人のありふれた〈老い〉が、この味わい深い上質のユーモアに満ちた〈コメディ〉の核心をなしている。われわれはここで、静かに奏でられた、ふつうの現代人の、孤独な〈生と死〉の意味あるいは無意味に向き合うことになる。
温厚かつ辛辣な作風によって、〈現代のオースティン〉という声価を得た英国作家の代表作。