生物がつくる〈体外〉構造

ニューヨーク州立大学カレッジ・オブ・エンバイロメンタル・サイエンス・アンド・フォレストリー（SUNY-ESF）準教授。生物の生態と適応の生理学的メカニズムに専門的関心をもつ。本書にも紹介されているシロアリ塚のガス交換機能のようなコロニーのつくりだす生理機能、あるいは、外温性動物の循環器系のつくりだす熱の流れ、卵を孵化させる親鳥と卵の系における熱の流れなどを生理学的次元で研究している。このほかの著書に、The Tinkerer’s Accomplice: How Design Emerges from Life Itself（Harvard University Press, 2006）がある。

東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。出版社勤務を経て、東京大学大学院理学研究科にて論文博士取得。同大学院総合文化研究科にて研究の後、現在翻訳に専念。訳書にカール・セーガン『百億の星と千億の生命』（共訳、新潮社、2004）、ブルース・アルバーツ他『Essential 細胞生物学』第2版（共訳、南江堂、2005）、ジェームズ・ワトソン他『ワトソン遺伝子の分子生物学』第5版（共訳、東京電機大学出版局、2006）、他多数。

（独）産業技術総合研究所 生物機能工学研究部門 生物共生相互作用研究グループ 研究グループ長。東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 教授（客員）。理学博士。専門は進化生物学、昆虫学、微生物学。昆虫類における多様な微生物との共生関係を主要なターゲットに設定し、さらに関連した寄生、生殖操作、形態操作、社会性などの高度な生物間相互作用をともなう生物現象について、進化多様性から生態的相互作用、生理機能から分子機構に至る研究を多角的なアプローチで展開している。共著書に『アブラムシの生物学』（東京大学出版会、2000）、『進化にワクワクする本』（朝日新聞社、1995）など、共訳書にウォーレス、R.A.『ウォーレス現代生物学（上・下）』（東京化学同人、1991）がある。