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他者という試練<品切>

ロマン主義ドイツの文化と翻訳

L’EPREUVE DE L’ETRANGER

Culture et traduction dans l’Allemagne romantique: Herder, Goethe, Schlegel, Novalis, Humboldt, Schleiermacher, Holderlin


翻訳にはふたつの誤解がある。ひとつは翻訳はオリジナルに対して二次的な価値しかもたないというもの。もうひとつは翻訳と創造性は本質的に結びつきえないというもの。自身ドイツおよびラテンアメリカ文学の翻訳家であるアントワーヌ・ベルマンは、翻訳実践家と理論家の没交渉ゆえに見逃されてきた問題を問い直し、翻訳という言語活動に理論的かつ歴史的な視座を提供する。
自国語が「他者という試練」を必要とすることを、ヨーロッパ史上はじめて意識したのがドイツ・ロマン派である。ルターによる聖書の「翻訳」がドイツ語という「国語」を生みだしたという事実があるからだ。自国の文化の形成が他者の言葉の翻訳を通じてこそ可能であるという考えは、やがて異なるものの試練を経てこそ自己に回帰できるというヘルダーリンの企てに結実する。西洋史上これほど豊かに翻訳への考察が深められたことは一度もなかった。
言語学の下位概念ではない自立的な知としての「翻訳学」の構想をはじめて世に問うたベルマンは、固有のものと異なるものとの関係、文化における他者、言語の本性といった近代に突きつけられる問いの数々を明るみに出す。鮮やかな手さばきで翻訳という行為が持つ圧倒的な創造性を描き出した本書は、翻訳をめぐる論議を一変させ、その後の人文学に多大な影響を与えた古典的名著である。


目次


顕現する翻訳
序論
第1章 ルターあるいは礎としての翻訳
第2章 ヘルダー 忠実と拡張
第3章 ビルドゥングと翻訳の要請
第4章 ゲーテ 翻訳と世界文学
第5章 ロマン的転回と無限の反転可能性
第6章 自然の言葉と芸術の言葉
第7章 翻訳の思弁的理論
第8章 批評運動としての翻訳
第9章 A・W・シュレーゲル あらゆるものを訳すことへの意志
第10章 F・シュライアーマッハーとW・フォン・フンボルト 解釈学=言語学的空間における翻訳
第11章 ヘルダーリン 祖国のものと異郷のもの
結論
翻訳の考古学/知の新たな対象としての翻訳
訳者あとがき 翻訳学の使命


著訳者略歴

アントワーヌ・ベルマン
Antoine Berman

1942年生まれ。フランスの翻訳理論家・翻訳家。1967年から詩誌『ラ・デリラント』を共同で主宰する。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
藤田省一
ふじた・しょういち

大阪生まれ。専攻は近代文学・言語態分析。現在、東京大学総合文化研究科博士課程・パリ第八大学フランス文学博士課程在籍。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

三ツ木道夫(ドイツ文学)
<図書新聞 2009年5月2日(土)>

関連リンク

この本の関連書


「他者という試練」の画像:

他者という試練

「他者という試練」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/432頁
定価 7,480円(本体6,800円)
ISBN 978-4-622-07346-8 C1010
2008年2月22日発行
<ただいま品切です>