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風神帖

エッセー集成 1

著者
池澤夏樹

「北海道は父祖の地である。敢えて正確を期するとすれば、母祖の地。/ぼくの母方の祖先は明治の初期に淡路島から日高に入植した。後に静内と呼ばれる土地に牧場を開き、しばらくは栄えて、やがて没落した」(明治の斧)――この故地から、柄のなくなった重さ1・5キロの錆びた斧が出土する。このずっしりとした斧は北海道開拓の厳しい生活を実感させるものだ。ここから長編『静かな大地』が書かれる。
やがて著者は生地の北海道を離れて上京し、ギリシャで数年間生活し、ついで帰国してから南端の沖縄へ移り、今はフランスに住む。多様な関心と思索の芽を孕んだこの作家が構想する文学空間は、おそらく定住とは反対の、あの北の大地から掘り出された〈斧〉をさまざまな場所で再確認する旅ではなかろうか? 瑞々しい私的断想から辻邦生追悼や須賀敦子論、『苦海浄土』ノートに『雲のゆき来』解読まで。細部から池澤文学の全貌を見はるかすエッセー集。


目次


I
こころの風景
モノの名について
体重が八貫目だった頃
三代前の先祖の斧
グッド・バイ、グッド・バー
旧作再訪『真昼のプリニウス』
この中也的な日々
かつて訪れた土地の不幸
自然を神の座の戻す
我が人生の馬たち
アメリカは眩しかった フィルコとヴォイジャーの物語
南極はどっちだ?
II
辻邦生さんについて個人的に
長い未定の時期(辻邦生)
さようなら、ジャック。
日野さんの引力圏の中で
古代的な機智について(多田智満子)
米原万里さんを悼む
星野道夫の十年
III
明晰と、広い視野(加藤周一)
知識人のポジション(林達夫)
異国に生まれなおした人(須賀敦子)
詩の悦楽について(須賀敦子)
『マラッカ物語』の応用問題
蜘蛛の糸一本の面目(松浦武四郎)
静かな大地(花崎皋平)
個人から神話へ――入口としての知里幸恵
新しいアイヌ史のために
『苦海浄土』ノート
没落者の嘆きの歌(町田康)
偽物の排除について(伊丹十三)
『雲のゆき来』の私的な読み(中村真一郎)
父との仲と『風のかたみ』
今、『忘却の河』を読む
しばらく雪沼で暮らす(堀江敏幸)
あとがき


著訳者略歴

池澤夏樹
いけざわ・なつき

1945年北海道帯広市に生まれる。埼玉大学理工学部中退。1975年から3年間ギリシアに滞在、以後沖縄に居を移し、現在はフランス・フォンテーヌブローに住む。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

丸谷才一<YomYom 2009年3月号>

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この本の関連書


「風神帖」の画像:

風神帖

「風神帖」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/248頁
定価 2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-622-07371-0 C0095
2008年10月16日発行

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