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ロスト・ジェネレーション

異郷からの帰還

EXILE’S RETURN

A LITERARY ODYSSEY OF THE 1920S


「僕が書きたかったのは、出来事の記録というよりは、人々の思想が紡ぎだすような物語である。思想といってもふつうの意味とは少し違う(…)むしろはっきりとは意識されぬまま行動を裏付けていたような彼らの思い――彼らがまさにそれによって生き、筆をとる力としていたような内なる思いのことだ」(「プロローグ 失われた世代」)。

生まれた土地や家の影がうすれ、世代の感覚が何よりも意味をもち、まるで現代の原風景が出現したような1920年代アメリカ。みずからもロスト・ジェネレーション作家のひとりカウリーが描くクロニクルは、歴史転換期に青春を迎えた若い知識層の文化的・思想的経験を鮮烈なままに刻みつける。これは自伝的記録であり思想的エッセイであり、そして20世紀あるいは今現在をも含む「現代」そのものの青年期を記した、かけがえのない思想史でもあるのだ。
この本がのちの大批評家カウリーの輝かしい第一歩となった。かつて『亡命者帰る』の邦題で、抄訳のみ知られた記念碑的名著のみずみずしい新訳。


目次


プロローグ  失われた世代
第一章 虚空の城
1 碧きジュニアータ/2 ピッツバーグの高校生たち/3 僕らの作家修業/4 ハーヴァード大学、1916年/5 負傷兵輸送班で
第二章 ボヘミアの戦争
1 長すぎた休暇/2 グリニッジ・ヴィレッジとは/3 結託する若者たち/4 フランス航路の波止場、1921年
第三章 トラベラーズ・チェック
1 ドルの価値は?/2 くり返される歴史/3 海のむこうから眺めれば(トランスアトランティック・レヴュー)/4 「内容」と「形式」/5 風の便り
第四章 パリ巡礼
1 問題リスト/2 聖人列伝抄/3 パリ行き急行便
第五章 ダダの死
1 ダダイスム小史/2 ある墓碑銘/3 症例報告/4 いわくありげに
第六章 怒りの都市(まち)
1 フランス航路の波止場、1923年/2 女の乳房はひとつまで/3 マンハッタン・メロディー
第七章 島々の時代
1 コネティカット・ヴァレー/2 チャールズタウン拘置所/3 がなり屋(ロアリング・ボーイ)/4 逃げ道なし
第八章 共鳴する自死
1 遺されたメッセージ/2 太陽の都/3 コトバの革命/4 死にどころ
エピローグ  ニュー・イヤーズ・イヴ

付録 作家たちの生年
付録 エピローグ(1934年版)   昨日、そして明日
訳者あとがき
索引・人名辞典


著訳者略歴

マルカム・カウリー
Malcolm Cowley

「ロスト・ジェネレーション」を代表するアメリカの批評家、詩人。 1898年ペンシルヴェニア州ピッツバーグ生まれ。ハーヴァード大学在学中に第一次世界大戦に従軍。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
吉田朋正
よしだ・ともなお

1968年生まれ。慶應義塾大学仏文科卒、早稲田大学大学院英文科修了、東京都立大学博士課程退学。東京医科歯科大学教養部准教授。専門は批評史。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
笠原一郎
かさはら・いちろう

1968年生まれ。早稲田大学英文科卒、同大学院およびウェスタン・ミシガン大学大学院修了、立教大学博士課程退学。東京理科大学非常勤講師。専門はアメリカ詩。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
坂下健太郎
さかした・けんたろう

1967年生まれ。東京大学英文科卒、早稲田大学大学院英文科修了、学習院大学博士課程退学。東京理科大学非常勤講師。専門はフラナリー・オコナー。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

増田一夫氏書評(『思想』2009年5月号)

この語〔exile〕を訳す際の困難は、評者に、exileを冠した別の文章を思い出させる。Exile’s rReturnの初版(1934年)からちょうど50年後、エドワード・サイードがおおやけにした論文"Reflections on Exile"(「故国喪失についての省察」)。〔……〕カウリーがexileなる語を濫用していると言いたいのではない。 ...続きを読む »

北小路隆志氏書評(『STUDIO VOICE』2008年9月号)

僕がこの本を書店で見つけ、即座に読みふけるに至った理由ははっきりしている。 ...続きを読む »

訳者からひとこと

二十世紀アメリカを代表する批評家のひとり、マルカム・カウリーが書き残した本書は、とりわけ「狂騒の1920年代」を活写したクロニクルとして名高い。原題はEXILE’S RETURN: A Literary Odyssey of the 1920s(初版1934年、改訂版1951年)。個人的回顧録とも思想的エッセイとも言い難い、絶妙な語り口が魅力の一冊だ。 ...続きを読む »

編集者からひとこと

ロスト・ジェネレーションというとこのごろ、90年代のバブル崩壊後の就職氷河期にゆきあってしまった年代をさすこともあるようだ。そういう区切り方、名づけ方じたい世代でものを見てみようとするから当然かもしれないけれど、世代論もこのごろやや目立つ気がする。 ...続きを読む »

書評情報

坪内祐三<en-taxi Vol. 22(Summer 2008)>
井波律子(中国文学)
<毎日新聞 2008年7月13日(日)>
東川端参丁目<週刊現代 2008年7月26日号>
北小路隆志<STUDIO VOICE 2008年9月号>
鹿島茂(フランス文学者)
<週刊文春 2008年8月28日号>
井波律子<毎日新聞「今年の3冊」 2008年12月14日(日)>
増田一夫(地域文化研究)
<思想 2009年5月号>

この本の関連書


「ロスト・ジェネレーション」の画像:

ロスト・ジェネレーション

「ロスト・ジェネレーション」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/480頁
定価 5,184円(本体4,800円)
ISBN 978-4-622-07388-8 C0098
2008年6月10日発行

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