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ダーウィンのジレンマを解く

新規性の進化発生理論

THE PLAUSIBILITY OF LIFE

Resolving Darwin’s Dilemma


ランダムな変異という材料を自然選択のふるいにかけるだけで、生物たちの見事な形態と機能が都合のいいスピードで進化できるのか? 複雑で精巧な組織は、なぜ未完成の段階で淘汰されずに進化できたのか? ダーウィン進化論の最大の弱点とされてきた謎が、進化発生学という新領域で解き明かされようとしている。
この新理論では、遺伝子の単なる「乗り物」にさえたとえられた生物の血肉の部分が、進化に道をつける主役に据えられる。しかも、生物の複雑さを還元主義的に解体して遺伝子に行き着くのとはまったく別の方向に、進化のメカニズムを探るべき広大な地平が開かれていることに、読者は目を瞠るだろう。本書の理論は「弱い連係」「探索的挙動」「拘束とひきかえの拘束解除」といった、生物を形づくる複雑なネットワークが生み出す性質に支えられている。複雑さそれ自体が、一見都合のいい進化に本質的な役割を果たしているのだ。本書は新しい進化観を展望する山頂へと、ふもとから一歩一歩、着実に読者を導いていく。このめざましい進化観の変革を見逃す手はない。
生物系のモジュール化とパターン化の基礎となるプロセスが、進化史のなかで保存され変化しないという議論や、その拘束が表現型の拘束を解除するという見解は、生物学の幅広い領域を刺激するだろう。


目次


まえがき
序章 ヒース荒野の時計

第1章 変異の起源
ダーウィン進化論の三本の柱
変異はどれほどランダムか?
方向づけられた遺伝的変異に対する反証
進化の総合説
新規性、時間、ランダムな変異
促進的表現型変異理論に向かって

第2章 保存された細胞、多様な生物
細胞の視点からの進化
DNAの視点からの進化
遺伝子から見た生物の歴史
保存と多様化の二元性

第3章 生理的な適応能力と進化
生理的な変異と進化
シュマルハウゼンとボールドウィンの効果
発生の可塑性
環境および染色体による性決定
ヘモグロビン──生理と進化の間の分子レベルの架け橋
体細胞適応と進化

第4章 弱い調節的な連係
遺伝子機能の制御
シグナルに対する細胞の応答
タンパク質の機能の仕組み
弱い連係と進化

第5章 探索的挙動
細胞が形をつくる仕組み
行動の変異と選択
生理的プロセスと発生プロセスの互換性
進化のステップ

第6章 見えない構造
胚の中の地図
区画の発見
驚くべき区画の保存
進化における区画の役割
形態の多様化
探索的プロセスと区画
初期発生の拘束解除
拘束と拘束解除
区画の考察を拡げると

第7章 促進的変異
進化可能性における変異の要素
進化の理論と促進的変異
証拠のありか
促進的変異がなかった場合の生命

第8章 進化論の合理性
促進的変異を自然選択説に組み込む
進化可能性の選択
コア・プロセスの起源
移動する進化の最前線
他の種類の複雑な系との関連
創造説とインテリジェント・デザイン
ふたたびヒースの荒地で

監訳者あとがき
訳者あとがき
用語解説
原注
索引


著訳者略歴

マーク・W・カーシュナー
Marc W. Kirschner

ハーバード大学医学校、システム生物学部門の教授であり、部門長。物理化学と生化学を学び、細胞の形態における細胞骨格の役割を明らかにする研究で業績をあげた。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
ジョン・C・ゲルハルト
John C. Gerhart

カリフォルニア大学バークレー校細胞・発生生物学部門名誉教授。生化学を学び、細菌のアロステリック酵素の調節機構の研究を経て、発生生物学に転じ、アフリカツメガエルの胚発生の研究に従事。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
滋賀陽子
しが・ようこ

東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了・理学博士。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
赤坂甲治
あかさか・こうじ

東京大学大学院理学系研究科教授 附属臨界実験所所長。多様な海洋動物を対象に、ゲノム解析と発生生物学を基盤とする進化の研究を進めている。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

<東京大学新聞 2008年11月4日>
福岡伸一(青山学院大学教授)
<読売新聞 2008年11月16日>

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「ダーウィンのジレンマを解く」の画像:

ダーウィンのジレンマを解く

「ダーウィンのジレンマを解く」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/384頁
定価 3,740円(本体3,400円)
ISBN 978-4-622-07405-2 C1045
2008年8月19日発行

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