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夢と精神病

LE REVE 《FAIT PRIMORDIAL》 DE LA PSYCHOPATHOLOGIE


20世紀フランス精神医学界の巨星、アンリ・エー。彼の精神医学体系は、精神病を外因性、心因性、内因性という観点からとらえる伝統的精神医学の体系とは大きく異なっている。エーは「精神病の病因はつねに器質的である」という立場をとり、精神病を急性精神病と慢性精神病に区分し、症状発生の観点から前者を意識の病理、後者を人格の病理ととらえている。
器質力動論とも呼ばれるエー独自の精神医学観において思想的中核をなすのが『精神医学研究』(全3巻)であり、本書はこの大著に含まれる「夢」についての論考を訳出したものである。
エーの生きた時代、精神分析学においてはフロイトが、哲学においてはサルトルが、それぞれ夢に関する重要な論考を残している。エーはそれらの厖大な文献にあたるとともに、精神医学的に、とりわけ器質力動論の立場から夢の体験と心の病がもたらす体験の非現実性を結びつけようと試みたのである。
今日の精神医学において「夢」が研究主題とされることはまれになった。しかし、エーの次の言葉は、彼が本書を書きあげたころとかわらず通用するであろう。「ひとは、その実存の過半を睡眠の夢と覚醒の夢想のなかで過ごしている。この事実を精神医学総論と無関係なものとしてすませることはできない」(本文より)


目次


第一部 睡眠のもたらす解体
睡眠の思考構造
A 睡眠の辺縁期思考
B 睡眠の思考、夢
C 夢と出来事
D 夢理論

第二部 睡眠のもたらす解体と精神病理学的諸解体との関係
一 問題の沿革と位置
二 精神神経症および精神病の「幻想的」構造
A 急性精神病、急性状態(発作、急変)、一過性急性妄想精神病
B 慢性発展をする精神病
C 精神神経症

第三部 無意識、想像力の火床
精神現象の解体過程における夢と妄想との同一性についての器質力動論
一 心的生活の発展と組織化
A 心的装置の力動的および発生論的構造
B 「叙情の核」、「想像力という火床」、無意識
C 心的活動の高次の形態
二 睡眠のもたらす解体と夢
三 精神病過程の力動
A 急性精神病、意識の解体水準の尺度
B 慢性精神病、意識の解体水準と人格の変容
四 精神神経症過程の力動
五 睡眠―夢の現象と精神医学における陰性および陽性障害総論


著訳者略歴

アンリ・エー
Henri Ey

1900年、南フランスのバニュルス・デル・ザスプルに生まれ、1977年に没す。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
糸田川久美
いとたがわ・くみ

徳島県生まれ。津田塾大学英文科卒業。東京女子医科大学卒業後、同大学神経精神科に入局、助手を経て(在籍中、2年間はフランス政府給費留学生としてリヨンにて研修)、現在、糸田川クリニック院長。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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夢と精神病

「夢と精神病」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/216頁
定価 4,104円(本体3,800円)
ISBN 978-4-622-07424-3 C3011
2008年11月19日発行

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