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ミレナ 記事と手紙

カフカから遠く離れて

COLLECTED WRITINGS


〈窓を通して物を見るほうが、直接見るよりもわたしにははるかに魅力的で、おもしろく、ひきつけられます。窓から見ている人はそこには属していません。隔てられています。今見ているものに対して抱く、制限つきの、自立した、憧れのひとかけがそこにそのまま保たれていると、今まさにいる空間が完全に侵害されることはありません。窓から風景を見るのはその風景を二度体験することです。一度は目で、一度は願望で〉(「窓」より)
「カフカの恋人」としてその名を知られるミレナ・イェセンスカーは、両大戦下のウィーンとプラハを拠点に活躍した、チェコ人ジャーナリストだった。
現実世界に向けるミレナの眼差しには、愛おしみと冷静さを同時にそなえた独特の距離感がある。ウィーンの街、結婚というもの、愛した人カフカ、蹂躙される母国…どんな現実を前にしても、パーソナルな体験として感じたままに、しかし、絶対的な公正さをもって伝えようとするその文章には、少女時代より自尊心が強く、自分を侵すものに対し容赦のない反抗をつづけた彼女の精神が宿っている。
 チェコの三つの新聞に寄稿したさまざまな種類の署名記事と、親しい人たちに宛てた手紙のなかから、ミレナの人と思想と時代を伝える文章を選び編集。巻末には、ラーヴェンスブリュックの女子強制収容所で息を引きとるまでのミレナの生涯をたどる略伝・年譜を付した。 
ミレナ・イェセンスカーのありのままの姿を日本で初めて紹介する待望の一冊である。


目次


ミレナをさがして――編者序言

1 『トリブナ(論壇)』より――1911-1922年
ウィーン
著名人の手紙
わたしの親友
不思議な救済
生業の妖怪
ウィーン(続)

2 『ナーロドニー・リスティ(国民草紙)』より――1921-1928年

青春
かまどの悪魔
心に試乗して――旅行記として
チャップリンの映画『パリから来た女』
フランツ・カフカ
プラハ―ウィーン直行列車
巨大な白い沈黙――スコット隊長の南極探検隊の映画をみて
近さの弊害
引越し
シュトゥットガルト 国際工作連盟・展示会「住居」
春のプラハの裏庭

3 『プシートムノスト(現在)』より――1937-1939年
座礁した人々――ドイツ系亡命者の運命について
ヨーロッパの私刑
併合はさせない II
三か日概観
無人地帯にて
ジュール・ロマンよ、さようなら
良き助言は黄金の価値
プラハ、1939年3月15日の朝

4 書簡より
マックス・ブロート宛
カレル・ホホ宛
ヤロスラヴァ・ヴォンドラーチェコヴァー宛
スタシャ・イーロフスカー宛
オルガ・シャインプフルゴヴァー宛
ヴィリアム・S・シュラム宛
エルンスト・ポラック宛
エヴジェン・クリンゲル宛(断片)
ロキタ・イルネロヴァー=クチェロヴァー宛
ヤナ・チェルナー宛

ミレナ・イェセンスカー略伝
ミレナ・イェセンスカー年譜
参考文献
編訳者謝辞


著訳者略歴

ミレナ・イェセンスカー
Milena Jesenska

チェコのプラハに生まれた。1918年から24年までのウィーン滞在中に、チェコスロヴァキアの新聞にエッセイを寄稿し、また独・仏・露・英文学からの翻訳も行った。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
松下たえ子
まつした・たえこ

1942年長野県生まれ。著書に『エルゼ・ラスカー-シューラー』(慶應義塾大学出版会)、編著書に『言葉の力』(三省堂)など。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

石光輝子(慶応大学教授・ドイツ文化論)
<週刊読書人 2010年1月22日>
阿部賢一(武蔵大准教授)
<琉球新報 2010年1月10日(日)>
<図書新聞 2010年1月30日号>
阿部賢一(武蔵大准教授)
<信濃毎日新聞 2010年3月14日(日)>

関連リンク

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「ミレナ 記事と手紙」の画像:

ミレナ 記事と手紙

「ミレナ 記事と手紙」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/336頁
定価 3,456円(本体3,200円)
ISBN 978-4-622-07495-3 C0098
2009年11月10日発行

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