みすず書房

声のきめ

インタビュー集1962-1980

LE GRAIN DE LA VOIX

判型 四六判
頁数 544頁
定価 6,600円 (本体:6,000円)
ISBN 978-4-622-07530-1
Cコード C1010
発行日 2018年7月18日
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声のきめ

「ぞんざいな言い方をすれば、インタビューは逃れることのできない社会的なゲームの一部を成しているのであり、あるいはもっと真剣な言い方をすれば、一方では作家と、他方ではメディアとの間の、知的な作業における連帯の一部を成しているのです。受け入れなければならない連鎖があるのです。書いた瞬間から、それは最終的には出版されるためであり、そして出版した瞬間から、社会が本に要求するもの、社会が本から作り出すものを受け入れなければならないのです。」

『零度のエクリチュール』で登場してから10年のうちに、『ミシュレ』『ラシーヌ論』『現代社会の神話』を出版したバルトは未来の記号学をつくろうと、ソシュールの言語学から学んだ「記号」の概念を鮮やかな手つきで用いるようになっていた。メディアはこぞって、この批評家に知見をもとめ、挑みかかり、食い下がる。それからも、『モードの体系』『S/Z』、そして転機となった『記号の国』……。新著が出るたびにバルトは問われつづける。「あなたはどこへ向かっているのか?」
『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』にいたる自著についてのみならず、映画と文学について、快楽と恋愛について、知識人と社会について、真理と欲望について、あらゆる質問にたいして率直に、礼儀ただしく、軽やかに答えるバルトの声を転写した38本のインタビューを、この一巻に集成する。

目次

パロールからエクリチュールへ

物は何かを意味するのか?
映画について
わたしは影響を信じない
記号学と映画
「ヌーヴェル・クリティック」の名のもとに、ロラン・バルトがレーモン・ピカールに答える
『モードの体系』および物語の構造分析について
『モードの体系』
一篇の科学的な詩をめぐる対話
『S/Z』と『記号の国』について
『レクスプレス』誌は前進する……ロラン・バルトとともに
批評家ロラン・バルト
余談
インタビュー(ロラン・バルトとの談話)
文化の宿命、対抗文化の限界
快楽/エクリチュール/読解
形容詞は欲望の「言葉」である
筆記用具とのマニアックなまでの関係
オペラ座の亡霊たち
ロラン・バルトは紋切り型を論駁する
みずからを追い抜くことを諦めた社会はどのようなものになるのか?
カレイドスコープの戯れ
ロラン・バルトのための二〇のキーワード
文学/教育
シュルレアリストは身体を欠いていた
真理の危機
エロスのフィギュールの大修辞家
知識人は何の役に立つのか?
『恋愛のディスクール・断章』
現代神話解読の第一人者、恋愛について語る
暴力について
疑いをいだかせるための言葉
あまりに荒々しいコンテクスト
ロラン・バルトは釈明する
怠惰であろうではないか
紙のシャトーブリアンのために
好みからエクスタシーへ
写真について
欲望の危機

経歴・著作1953-1980

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