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神話論理の思想

レヴィ=ストロースとその双子たち

著者
出口顯

〈分析の展開の中で、レヴィ=ストロースは、他者、歴史、芸術、地球や人類の未来について、彼の思想を披瀝している。とりわけ第一巻の「序曲」と第四巻の「終曲」にはそれらが目につきやすいかたちで述べられている。そのため、これまでレヴィ=ストロースの思想を論ずるとき、それらのわかりやすい箇所だけが取り沙汰され、肝心の本篇ともいうべき神話の詳細な分析がなおざりにされがちであった〉(「序」)
レヴィ=ストロースを読み込むとはどのようなことだろうか。主著『神話論理』の全巻を、構造分析の現場に降り立ち、繰り返されるキーワードに目をとめながら精細に読み解いていく。巻を追って、「終曲」から『親族の基本構造』をへて「序曲」へ螺旋状に、また、意味するとは、ブリコラージュとは、自然とは、人類学的歴史とは、他者の到来を俟つとは何かを問いながら。 類似するが完全には同化することのない「双子の不可能性」を南北アメリカ先住民は神話で語った。「二卵性双子」としてのフーコー、ベイトソン、エヴァンズ=プリチャード、リーンハート、現代ブラジルに生きるパナラの人々までつながるレヴィ=ストロース思想のバラ窓を照らし出す。


目次




第一部 『神話論理』を読む
1 生成する中空――I『生のものと火を通したもの』II『蜜から灰へ』
広い机/直線的読みを阻止する記述/構造=出来事/作曲者=指揮者としての神話/螺旋的進行/中空と中身の詰まった、文字通りと比喩的、容器と中身/喪失としての起源/他者のための場所
2 関係の関係性という旅――III『食卓作法の起源』
〈カヌーの教え 往路〉 神話のモラルは女性の抑圧か/女の昼夜平分性/サンダンス/カヌーの舳先と艫にいる二つの天体/カヌーに乗った女と男/結合における分離/〈料理の三角形 折り返し〉/〈数の教え 復路〉 デュメジル的/神話からロマンへ/一〇個組から引き返す/充満と真空のあいだで
3 山分けの時空――IV『裸の人』1・2
調理から衣服へ/自然の山分けモラル/神話同士の山分け/ラセミ体的神話/時間が空間になる/冷たい社会/加熱調理法再び/人間の黄昏/構造分析は儀礼的か
4 眼と精神――「終曲」から
自然から文化への移行?/世界と人間/インセスト禁忌/物それ自体/歴史と儀礼/知性と感情――インゴルド批判/レヴィ=ストロースの二つの自然?/贈与とアメーバ
5 神話が染み込み、火花を散らす――「序曲」へ
人間の知らないところで神話が考え合う/サンボリストとしてのレヴィ=ストロース/無意識の場所でありながら意識的になろうとする/サンボリストとしてのアメリカ先住民

第二部 『神話論理』の問題系
6 距離への配慮
フーコーとレヴィ=ストロースの神話論的素描/〈レヴィ=ストロース I〉/〈フーコー I〉 立ち返り=回心/理性的自己と個としての自己――自己の二重化/セネカ/真理・主体化・反復/関係としての自己、媒介者としての他者/〈レヴィ=ストロース II〉 クラインの壺型神話/二卵性双子/〈フーコー II〉 分身の思想/〈レヴィ=ストロース III〉 対話としての神話/レヴィ=ストロースとフーコーという双曲線
7 パララックス
ありふれたことへのまなざし/コミュニケーション不全の神話学/エヴァンズ=プリチャードとサンザ/リーンハートとパララックス/象徴値ゼロのシーニュとしての「自然」/メッシィな構造/凸面鏡としての神話
8 他者のための空洞
構造という川床/借用による充実/パナラのサッカー場/ディンカの自由神霊/ディンカの「何」の神話/ブリコラージュ再考/まだ見ぬ人との再会

おわりに――なぜ『神話論理』は四巻なのか
あとがき

参考文献
索引


著訳者略歴

出口顯
でぐち・あきら

1957年生まれ、松江市出身。筑波大学比較文化学類卒業。東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了、同大学大学院博士課程退学。島根大学法文学部助手、助教授をへて、2000年より同大学同学部教授。博士(文学)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評紙二紙にとりあげられました

『週刊読書人』『図書新聞』の二紙の書評にいちはやくとりあげられました。

……「いったい何カ所に付箋を貼っただろうか。それぞれについてじっくり考えてみたいところだが、ここでは一つに限って述べよう。 ...続きを読む »

書評情報

東ゆみこ(東京大学大学院特任研究員)
<週刊読書人 2011年7月8日(金)>
昼間賢<図書新聞 2011年7月16日(土)>

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神話論理の思想

「神話論理の思想」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/344頁
定価 3,780円(本体3,500円)
ISBN 978-4-622-07598-1 C1010
2011年4月20日発行

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