みすず書房

カフカ/夜の時間

メモ・ランダム

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 208頁
定価 3,520円 (本体:3,200円)
ISBN 978-4-622-07641-4
Cコード C0073
発行日 2011年10月21日
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カフカ/夜の時間

夜のこわさ。夜でないこわさ。
ひとことでいい。もとめるだけ。空気のうごきだけ。きみがまだ生きている、待っているというしるしだけ。いや、もとめなくていい。一息だけ。一息もいらない。かまえだけ。かまえもいらない。おもうだけで。おもうこともない。しずかな眠りだけでいい。
……………カフカ

はじまりは病室の闇で読んだカフカ。読みなおされ、書きなおされ、翻訳しなおされてゆくカフカとの濃密な時間が、まじりけのないことばで書き留められている。高橋悠治の書きかた、音楽のつくりかたの秘密にみちた一冊。

晶文社より出版された初版(1989年)に「「カフカ」ノート 2」を加え、「新版へのあとがき」を付して新たに刊行。

目次

夜の時間(カール・クラウス)


病気・カフカ・音楽
「カフカ」ノート 1
可不可
「カフカ」ノート 2

 ii
明恵上人 夢記切(声明のために)
レナード・バーンステインの「平和のためのミサ」によせて
水牛 1
水牛 2
パイクラッパー——ナムジュン・パイクの「風呂敷天下」

 iii
「馬の頭は永遠に向った」作曲ノート
音に向かって
メモ・ランダム
グレン・グールドの死の「意味」?
ランダム・アクセス・メモリーとなった音楽
「カルメンという名の女」(ゴダール)
写真集「ベイルート」(ゾフィー・リステルヒューバー)
「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」(ストローブ=ユイレ)
「緑のアリが夢見るところ」(ヘルツォーク)

あとがき
新版へのあとがき

二冊一対で新聞書評をいただいています

読売新聞では椹木野衣氏、毎日新聞では丸谷才一氏に、いずれも『カフカノート』と二冊一対で長文の書評をいただいています。
「残されたものが、既成の小説という型を持たなかったカフカの言葉を受け取るためには、これらの断片から開かれる、また別の終りなき過程に身を置かなければならないのだ」(椹木野衣・「読売新聞」2011年11月28日)
「たとえば彼はカフカの文学の、商業ジャーナリズムを媒介としない前近代的な発表形態、孤独と自由にあこがれる。そしてまた、辺境であるせいでの言語的運命にも。なぜなら、日本こそヨーロッパの辺境の最たるものだから」(丸谷才一・「毎日新聞」2012年1月8日)

書評情報

椹木野衣(美術批評家・多摩美術大学教授)
読売新聞2011年11月28日
丸谷才一
毎日新聞2012年1月8日
レコード芸術
2012年1月号
intoxicate
vol. 95(2011年)

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