ニューメディアの言語
デジタル時代のアート、デザイン、映画
THE LANGUAGE OF NEW MEDIA
判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 488頁 |
定価 | 5,940円 (本体:5,400円) |
ISBN | 978-4-622-07731-2 |
Cコード | C1036 |
発行日 | 2013年9月13日 |
備考 | 現在品切 |
THE LANGUAGE OF NEW MEDIA
判型 | A5判 |
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頁数 | 488頁 |
定価 | 5,940円 (本体:5,400円) |
ISBN | 978-4-622-07731-2 |
Cコード | C1036 |
発行日 | 2013年9月13日 |
備考 | 現在品切 |
1990年代以降、デジタル・テクノロジーの急速な普及によって、文化は未曾有の変容を遂げた。これははたして印刷術の発明に匹敵するような、文化の根本的な転換なのか? それとも、これまでのメディア史の延長線上にある現象にすぎないのか?
マノヴィッチの答えは、そのどちらでもある、というものだ。一方で、19世紀前半以来のコンピュータ計算と各種メディア・テクノロジーの二つの歴史の合流点に登場する「ニューメディア」は、原理的にはコンピュータで計算・操作可能なデジタルデータとしてのみ存在し、固有のかたちを持たない。その意味で、ニューメディアは、従来のメディアとは根本的に性質を異にし、「メディア」という概念そのものの再考を迫っている。
しかし他方で、マノヴィッチはウェブサイトやソフトウェア・アプリケーションからコンピュータゲームやメディアアートのデザインに至るまで、コンピュータ化された文化の広範囲にわたる現象を縦横無尽に取り上げながら、ニューメディアがいま実際に取っている姿が、従来のメディア、とりわけ映画の慣習にどれほど多くを負っているかを検証していく。デジタル黎明期の実際の現れとしては、ニューメディアはオールドメディアと連続しているのである。
マノヴィッチの広範で刺激的な議論は、メディア研究者のみならず、アートとデザインの実作者にとっても実りあるヒントをもたらすだろう。
目次
序文(マーク・トライブ)
プロローグ——ヴェルトフのデータセット
謝辞
イントロダクション Introduction
個人的な年代記
現在の理論
ニューメディアをマッピングする——方法
ニューメディアをマッピングする——構成
用語——言語、オブジェクト、表象
第1章 ニューメディアとは何か? What is New Media?
メディアはどのように新しくなったのか
ニューメディアの諸原則
1. 数字による表象
2. モジュール性
3. 自動化
4. 可変性
5. トランスコーディング
ニューメディアとは何でないか
ニューメディアとしての映画
デジタルの神話
インタラクティヴィティの神話
第2章 インターフェース The Interface
文化的インターフェースの言語
文化的インターフェース
映画
HCI——表象 対 制御
画面とユーザー
画面の系譜学
画面と身体
表象 対 シミュレーション
第3章 オペレーション The Operations
メニュー、フィルター、プラグイン
選択の論理
「ポストモダニズム」とPhotoshop
オブジェクトから信号へ
合成
映像のストリームからモジュール的なメディアへ
モンタージュへの抵抗
合成の考古学——映画
合成の考古学——ヴィデオ
デジタル合成
合成と新しいタイプのモンタージュ
テレアクション
表象 対 通信(コミュケーション)
テレプレゼンス——イリュージョン 対 行動(アクション)
〈道具としての画像〉
遠距離通信(テレコミュニケーション)
距離とアウラ
第4章 イリュージョン The Illusions
合成的リアリズムへの不満
映画におけるテクノロジーと様式
コンピュータ・アニメーションにおけるテクノロジーと様式
ミメーシスのイコン
合成画像とその主体
ジョルジュ・メリエス、コンピュータグラフィックスの父
『ジュラシック・パーク』と社会主義リアリズム
イリュージョン、ナラティヴ、インタラクティヴィティ
第5章 フォーム The Forms
データベース
データベースの論理
データとアルゴリズム
データベースとナラティヴ
範列と連辞
データベース・コンプレックス
データベース映画——グリーナウェイとヴェルトフ
航行可能な空間
《ドゥーム》と《ミスト》
コンピュータの空間
航行の詩学
航行者と探険家
映画‐眼(キノアイ)とシミュレータ
《EVE》と《プレイス》
第6章 映画とは何か? What Is Cinema?
デジタル映画と動画像の歴史
映画、インデックスの芸術
動く絵の手短な考古学(アーケオロジー)
アニメーションから映画へ
再定義された映画
映画‐眼(キノアイ)から映画‐筆(キノブラッシュ)へ
新しい映画言語
映画的なものとグラフィカルなもの——シネグラトグラフィー
新たな時間性——物語のエンジンとしてのループ
空間的モンタージュとマクロ映画
情報空間としての映画
コードとしての映画
訳者あとがき
索引
「訳者あとがき」(堀潤之)抜粋を「トピックス」に掲載しています