みすず書房

瓦礫の下から唄が聴こえる

山小屋便り

判型 四六判
頁数 232頁
定価 2,860円 (本体:2,600円)
ISBN 978-4-622-07734-3
Cコード C0095
発行日 2012年11月9日
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瓦礫の下から唄が聴こえる

「東日本大震災の以前と以後で何が変わったのか。わたしたちは何に試されているのか。詩や歌を書いても、書かなくてもいい。ただ、表現者の位置に立つ限り、過去から、未来から、言葉は試されている。この国に浮かぶ膨大な死者の霊に試されている。これから生まれてくる子どもたちにも試されている。このことの実感を持つかどうか、そのことも試されている」

浅間山麓の山小屋で週末を過ごすこと30年、自然と向きあいながら「血のつながらない新しい家族の形態」を模索してきた詩人が、東日本大震災発生で何を考え、どう行動したか。津軽三味線奏者2代目高橋竹山とともに被災地をめぐり、東北民謡発祥の地を訪れ、海から山を、山から海を思う。詩集『明日』により第20回萩原朔太郎賞を受賞した著者が綴った詩文集。

目次

I
未来からの記憶/遠い声にうながされて

II
ラッシュ・グリーン/白樺キャンドル/「雪山讃歌」とメロディライン/
壁を塗る/秋の音/民謡を作るということ/ミステリアスなアイラ島

III
祈りとエロスと生命力と/明日/国破山河在/死者の魂を招くこと/
次郎よ、次郎の泣き虫め!/言葉が人を動かす/
それでも、海は壊れていない——畠山重篤さんを訪ねて/
「風のブランコ」と腐葉土を見つめて/瓦礫の下から唄が聴こえる/
声たち(大船渡市・下船戸)/東北民謡を巡る旅/
どこへ走るのか——震災後の表現の行方/三月という残酷な月

鏡の上を走りながら

初出一覧

書評情報

川本三郎
毎日新聞2013年1月6日(日)
日本経済新聞
2012年11月23日(日)
クロワッサン
2013年1月10日号
野村喜和夫(詩人)
週刊読書人2013年1月11日
小池昌代(詩人)
南日本新聞2012年12月23日
畠山重篤(カキ養殖業)
読売新聞2013年1月13日(日)
小池昌代(詩人)
新潟日報2013年1月13日(日)

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