「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



歴史学の将来

THE FUTURE OF HISTORY


「ここに描かれるお先真っ暗の世界にあって、ルカーチの抗いがたく人間的な文章には、彼自身の晴れやかな姿が見える」(ティモシー・スナイダー)

「ジョン・ルカーチは、この世代、いや、この時代において、最高の歴史家の一人だと思う」(ジャック・バーザン)

「さまざまな主題を、これほどまで幅広く、感受性豊かに、深いところまで見つめて来た人はいないだろう……だからこそ、ルカーチのどの著作にも長きにわたる価値がそなわっている」(ジョージ・E・ケナン)

60年以上にわたり、ジョン・ルカーチは過去について書き(『ブダペストの世紀末』『ヒトラー対チャーチル』『評伝ジョージ・ケナン』ほか多数)、アメリカの大学で教えつづけてきた。そのルカーチが、本書では未来に注意を向けている。
歴史という学問を徹底的に考えながら、その発生から変遷、出版界に起きた歴史ブーム、歴史と小説などを論じ、歴史学の現状と将来について、真剣で快活な分析をおこなっている。人文学の危機、人文書の危機がささやかれる現在、これは他人事ではない。傑出した歴史家が後生に贈る、力のこもった著作である。


目次


第1章 歴史家であること
歴史意識の発生◆歴史学の歴史◆「社会科学」としての歴史◆現代の危機において歴史家であること◆「歴史的思考は、われわれの血肉となっている」

第2章 歴史家にとっての問題
少数者の歴史から大勢の歴史へ◆トクヴィルが語る歴史著述の未来◆世論と大衆感情◆国民感情◆出来事の構造◆歴史学における一九六〇年以降の流行◆社会史の優勢◆歴史教育の現実と将来◆文書偽造の危険

第3章 歴史ブーム
新しい現象、その証拠◆同時に進む歴史教育の縮小◆歴史ブームの原因◆伝記への関心◆歴史の無知――歴史はますます重要だということ

第4章 文学としての歴史の再認識
歴史も、事実も、言葉で成り立つ◆ばかげた「社会史」と、文学としての歴史◆アマチュア歴史家の優位性◆客観でもなく主観でもなく参加型◆歴史的観念論は絶対的でも決定的でもない、決定的に重要なのは「いつ」である

第5章 歴史と小説
歴史家の仕事、小説家の仕事◆「事実」と「虚構」◆小説の起源と歴史を歴史家はよく考えるべきである◆すべての小説は歴史小説である◆起きたことと起こり得たこと◆最近の小説の危機と現在の危機◆歴史による小説の吸収、新形式の文学◆補遺

第6章 歴史家の将来
本と読書の将来◆歴史学は必然的に修正主義である◆正義の追求、真実の追求◆アメリカのリベラル歴史家の近視眼。考えていることと信じていること

第7章 伝統、遺産、想像力
過ぎ去ってゆく一つの時代◆歴史意識の今後◆科学技術は歴史より長らえるか◆「……今後、何か新しい形の思考が始まることを希望する……」

弁明

解説 近藤和彦
書名索引
人名索引


著訳者略歴

ジョン・ルカーチ
John Lukacs

1924年、ブダペスト生まれ。母がユダヤ人であったため、第二次世界大戦中、収容所で強制労働を課せられたが、絶滅収容所送りは免れた。1946年、共産化したハンガリーからアメリカ合衆国に逃れる。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
村井章子
むらい・あきこ

翻訳者。上智大学文学部卒業。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
近藤和彦
こんどう・かずひこ

1947年生まれ。東京大学名誉教授。立正大学教授。Fellow of the Royal Historical Society. 専門はイギリス近代の社会史、文化史、政治史。日英歴史家会議委員長、史学会理事長をつとめた。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

坪内祐三<「本の雑誌」2014年3月号 >

関連リンク

この本の関連書


「歴史学の将来」の画像:

歴史学の将来

「歴史学の将来」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/200頁
定価 3,456円(本体3,200円)
ISBN 978-4-622-07764-0 C1010
2013年11月22日発行

この本を購入する