みすず書房

ホロコーストとポストモダン

歴史・文学・哲学はどう応答したか

THE HOLOCAUST AND THE POSTMODERN

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 608頁
定価 7,040円 (本体:6,400円)
ISBN 978-4-622-07793-0
Cコード C1010
発行日 2013年10月18日
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ホロコーストとポストモダン

ホロコーストはどう語られ、記憶されるべきか? 人類史上最悪のこの出来事は歴史学、文学、哲学を一変させ、その衝撃は今なお続く。生き残った人の証言、ホロコーストを題材にしたフィクション、歴史論争、哲学。それらを「読む」とは、どのような営為だろうか。
さまざまな形で語られるホロコーストの記憶を標準化してしまう「把握の形而上学」に抵抗するのがポストモダニズムだと著者は言う。証言と記憶、個人と共同性、人間の概念、そして真実とは何か。ホロコーストという出来事に取り組むその行為において、一体何が行なわれているのかが検証されなければならない。
プリーモ・レーヴィ、エリ・ヴィーゼル、ホルヘ・センプルン、レヴィナス、サウル・フリートレンダー、デリダ、アガンベン…。膨大なホロコーストへの応答を明晰に読み解き、直接体験していない大量死の記憶をいかに継承するかを問う。

目次

序論 ホロコーストとポストモダン

〈第一部 読むこととホロコースト〉
第一章 「他の書物と同様の仕方で読んだり消費したりしてはならない」——同一化と証言というジャンル
第二章 経験の痕跡——証言のテクスト
第三章 「忠実でかつ懐疑的、近くかつ遠く」——記憶、ポスト記憶、同一性
第四章 ホロコースト読解——1990年から2003年までのホロコースト・フィクションにおける記憶と同一化

〈第二部 ホロコーストのメタヒストリー〉
第五章 歴史主義に抗して——歴史、記憶、そして真実
第六章 「脚注なら野蛮でないと言えるだろうか」——サウル・フリートレンダーの仕事における歴史、記憶そしてホロコーストの真実
第七章 「何が歴史的説明を構成するのか」——ゴールドハーゲン/ブラウニング論争におけるメタヒストリーと歴史的説明の限界
第八章 否定論のメタヒストリー——アーヴィング/リプシュタット裁判とホロコースト否定論

〈第三部 ホロコーストの痕跡〉
第九章 汲み尽くせぬ意味、消去しえぬ声——レヴィナスとホロコースト 
第十章 哲学の灰、灰の哲学——デリダとホロコーストの痕跡
第十一章 理解の限界——加害者の哲学と哲学的歴史
第十二章 ポストモダン、ホロコースト、人間の限界

結論

謝辞
訳者解題 ホロコースト×ポストモダン
訳者あとがき
引用文献の省略表記
主要参照文献
原注
索引

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