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メモリースケープ

「あの頃」を呼び起こす音楽

著者
小泉恭子

音楽は、眠っていた記憶を呼び覚ます。プルーストにおけるマドレーヌのように。それは、人生の「前景」たるお気に入りの曲とは限らない。聞き流していた「後景」の音楽ですら、「あの日、あの時、あの場所」を連れてくる。世代を超えた「スタンダード」より、特定の世代に聴かれた「コモン・ミュージック」のほうが、その傾向は顕著になる。

本書は、うたごえバス、フォーク酒場、コミュニティ・ラジオ、映画音楽サークルを訪ね歩き、人生の実りの時を迎えた「ふつうの中高年」への質的調査を通じ、聴覚の個人史と文化的記憶が交わる想起のかたちを明らかにしたフィールドワークである。
時間と空間を行き来する想起を「メモリースケープ」という概念で読み解くことで、従来のサウンドスケープ研究を批判的に乗り越え、聴覚文化研究の新しい次元を示す。
メディアが画一化してきたノスタルジアへの反証として多様な想起のあり方を提示しながら、高齢化の進行で勢いづくノスタルジア市場に回収されることのない、「住まわれた記憶」が拓くパースペクティヴが立ちあらわれる。


目次


序章

第 I 部 消費と再構築――ノスタルジア市場と文化的記憶
第一章 走る走馬灯――うたごえバス
1 走るうたごえ――歌で振り返る昭和の東京
2 「なつメロ」なのに「うたごえ」の不思議
3 サウンドスケープ・記憶・メディア
第二章 「あの頃」という名の駅――フォーク酒場
1 九州四都物語―前編
2 九州四都物語―後編
3 思い出ゆきの旅行(ガイド)案内書(ブック)にまかせ
4 想い出装置としてのフォーク

第 II 部 想起と多声性――身体の記憶、習慣の記憶
第三章 音溝の記憶――コミュニティ・ラジオで第二の人生
1 レコード片手に地域デビュー
2 男四人集まれば――生涯最良のサタデーナイト
3 貝塚から松原へ――インターネット・ラジオでの挑戦
第四章 耳で聴く映画――彼らはいかにしてサントラを愛するようになったか
序曲
前編:「サントラ」というささやかなサークルの栄華と衰退
間奏曲:“Something”を求めて
後編:サントラの魅力とはなにか
終曲

終章 音楽とメモリースケープ
1 ノスタルジア市場と老い
2 集合的記憶と文化的記憶
3 メモリーバンクとしての音楽
4 想起の空間
5 メモリースケープ

あとがき
事項索引
人名索引


著訳者略歴

小泉恭子
こいずみ・きょうこ

1966年大阪市生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。Ph.D.(ロンドン大学)。現在、大妻女子大学社会情報学部准教授。専門は文化社会学、音楽社会学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

栗原裕一郎(評論家)
<日本経済新聞 2013年11月17日(日)>
岡田温司(西洋美術史家・京都大教授)
<読売新聞 2013年11月24日(日)>
井上文(フリーライター)
<西日本新聞 2014年3月9日(日)>
粟谷佳司(立命館大学准教授、社会学・文化研究)
<図書新聞 2014年4月5日(土)>

関連リンク

この本の関連書


「メモリースケープ」の画像:

メモリースケープ

「メモリースケープ」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 3,300円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-07795-4 C0073
2013年10月10日発行

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