アメリカ〈帝国〉の現在
イデオロギーの守護者たち
THE EMPIRE’S NEW CLOTHES
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 200頁 |
定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
ISBN | 978-4-622-07837-1 |
Cコード | C0021 |
発行日 | 2014年6月19日 |
THE EMPIRE’S NEW CLOTHES
判型 | 四六判 |
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頁数 | 200頁 |
定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
ISBN | 978-4-622-07837-1 |
Cコード | C0021 |
発行日 | 2014年6月19日 |
すでに歴史上の概念かと思われた「帝国」と「帝国主義」が、装い新たに、21世紀のイデオロギーとしてもどってきた。
冷戦の時期、アメリカ合衆国が「自由と民主主義」を旗印に、「後進国の開発」プログラムを推進したことは周知の事実である。イラク戦争を経て、今、新自由主義を掲げるアメリカは、もはや軍事占領や戦争に訴えることも厭わないようにみえる。この世界展開はかつての大英帝国の新バージョンであると著者はいう。
アメリカでは冷戦時、第三世界の近代化を理論的に後押しするために、国内の主要な大学に「地域研究」という社会科学の講座を設けた。この方法は、アメリカ社会を「普遍的な基準」として世界を推し測るものだった。地域研究はさらにカルチュラル・スタディーズに引き継がれ、その後、近代化理論への批判を契機に、逆の立場からポストコロニアル・スタディーズが生まれる。これを封殺しようとした新しい試みが、近代化理論の復権である。
ロストウ、ライシャワー、ベラーから、ネグリとハート、ファーガソンにいたる系譜を分析し、アメリカ対「異質な社会」の衝突にいたる、歴史的な経緯と問題を理解する鍵を提供する書である。
日本語版のための序——帝国的「現在」について
I パラダイムの帝国
II 帝国を語る
帝国主義の意味すること、そして、それへの新たな覚醒
III パラダイムの理論
戦後社会科学の野心
近代化のモメント
近代化の三位一体——経済、政治、そして社会的なるもの
IV パラダイムの実践
冷戦の三つの世界
アメリカの『モロー博士の島』
V 近代化の回帰——求められる帝国
西洋への新たな攻撃
近代化という植民地主義
帝国の日々を夢見る
結論 歴史の教訓
訳者あとがき
人名索引