「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



キャプテン・クックの列聖

太平洋におけるヨーロッパ神話の生成

THE APOTHEOSIS OF CAPTAIN COOK

European Mythmaking in the Pacific


もっとも偉大な航海者にしてポリネシアの発見者、キャプテン・ジェイムズ・クック。18世紀末にハワイ島に上陸し、当地の神である「ロノ神」が降臨したとして歓迎を受けた。誰もが認めるこの定説に疑問を呈したのが本書の著者、オベーセーカラである。
文明の使者クックを野蛮人であるハワイ人が神と崇めたというのは本当なのか。航海誌の詳細な分析で浮かび上がるのは、「ヨーロッパ人という神」こそが、当のヨーロッパ人が創造した神話だということである。
1777年のトンガ滞在にはじまり1779年のハワイでの死で終わる「人道主義者」クックの暴力の痕跡を克明にたどり、イギリス人がもたらした暴力がハワイ人の対抗暴力を生み、暴力の連鎖が文化的差異を鏡像的な増幅のうちに溶解することを明らかにする。
本書はアメリカ人類学でもっとも著名な人物でオセアニア研究の第一人者であるマーシャル・サーリンズに真っ向から論戦を挑み、その後10年にわたる論争を巻き起こした。ヨーロッパ人の神話形成と現代の学問との連続性を浮かび上がらせ、他者について語ることの倫理と政治を切り開いた、アメリカ人類学最大の論争の書である。


目次


序文

第一章
キャプテン・クックとヨーロッパ的想像力
神話モデル
即興、合理性、野生の思考

第二章
三度目の来臨――再び南海へ
タヒチ訪問とエイメオの破壊
ハワイの発見

第三章
列聖化の命題
さらなる列聖化に対する反論――手垢の付いた知覚と文化的概念人類学と擬史

第四章
政治と列聖化――ハワイからの視点
もう一人のロノ――ハワイのダライ・ラマ、オミアー
クック、ロノ、そしてマカヒキ祭

第五章
語りの再開――最後の日々
クックの死――イギリス・ハワイ双方の見解から

第六章
言語ゲームとヨーロッパにおけるジェイムズ・クックの列聖化
ニュージーランド史における人道主義的神話
ジェイムズ・クックの復活と再来
航海者の伝承にみられる列聖化の異伝

第七章
クック、姦淫、そして罪悪――宣教師たちの神話
現地の古伝について――神話、議論、論戦的言説
モンテレーの西瓜、あるいは熱帯の比喩という話題をめぐるある現地人の省察

第八章
人類学的語りにみられる神話モデル
服喪と死の余燼

附論一 ヒキアウの破壊とウィリアム・ワットマンの死
附論二 カーリッイと王たちの神性


原註
第二版修正箇所
訳者解題
図版出典
文献
キャプテン・クックのハワイでの活動と本書に関連するその他の出来事
索引


著訳者略歴

ガナナート・オベーセーカラ
Gananath Obeyesekere

1930年生まれ。スリランカ出身の文化人類学者。ワシントン大学、セイロン大学、カリフォルニア大学を経て、現在、プリンストン大学名誉教授。専門は文化人類学。女神パッティニの祭祀の研究などで知られる。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中村忠男
なかむら・ただお

1960年生まれ。現在、立命館大学文学研究科文化動態学准教授。専門は文化人類学、神話学。著書に『アジアの多文化社会と国民国家』(共著、人文書院、1998年)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

関連リンク

この本の関連書


「キャプテン・クックの列聖」の画像:

キャプテン・クックの列聖

「キャプテン・クックの列聖」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/456頁
定価 7,344円(本体6,800円)
ISBN 978-4-622-07860-9 C1010
2015年5月25日発行

この本を購入する