ツェランの詩を読みほどく

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 264頁 |
定価 | 3,960円 (本体:3,600円) |
ISBN | 978-4-622-07867-8 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 2014年11月25日 |

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 264頁 |
定価 | 3,960円 (本体:3,600円) |
ISBN | 978-4-622-07867-8 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 2014年11月25日 |
「私の詩が私の履歴です」——ホロコーストを生き延び、“アウシュヴィッツ以後”に残る言葉を極限まで突き詰めた詩人、パウル・ツェラン(Paul Celan 1920-1970)。
ツェランの詩は難解だ。注釈や研究書はすでにあふれるほど出ている。しかし、ツェランにとって詩とは、「他者の運命」との「出会い」であり、「再会」であった。そこで読者は、みずからにあらかじめそなわっている「心」との再会によって、詩と出会うのである。
1編の詩には1つの主題がある。その主題こそが、出会うべき詩の心、すなわち核心である。西欧と死の国、忘却の家=ドイツ語、キリスト教とユダヤ人、シオニズムとの葛藤、ネオナチとの闘い、水爆実験や人工衛星への否、人間イエスに倣って——。ツェランの"詩と真実"を求めて、初期から晩年まで41編を読みほどき、詳しい年譜も併録した、これまでになかった解説書であり、斬新な現代詩入門である。
はじめに——ツェランをどう読むか
第一章 チェルノヴィッツ(1920-41年)——処女詩集『骨壺からの砂』I
むこう側に
第二章 チェルノヴィッツからブカレストへ(1942-45年)——『骨壺からの砂』II
砂漠のなかの歌 (ヤマナラシ) 死のフーガ
第三章 ブカレスト(1946年)——『骨壺からの砂』III
マリアンヌ 骨壺からの砂
第四章 ブカレストからウィーンへ、そしてパリ定住(1947-48年)——『骨壺からの砂』IV
九月の暗い眼 遠方に向かって讃えよ エジプトで あなたからの私への歳月 旅の途上で コロナ
第五章 1949-50年——第一詩集『ケシと記憶』I
焼印 霧笛のなかへ (まだ彼の眼が)
第六章 1951-52年——『ケシと記憶』II・第二詩集『閾から閾へ』I
眠りと食物 毎夜ゆがめられた 私は、言うのを聞いた ポール・エリュアールの思い出に
第七章 1953年——『閾から閾へ』II
時代の眼球 言葉の夕暮れ いくつもの斧と戯れながら
第八章 1954年——『閾から閾へ』III
アッシジ たびごとに替わる鍵で おまえの眼に接木された 輝き 沈黙の論証 島に向かって
第九章 1955-58年——第三詩集『言葉の格子』
声たち(第一歌) 下で テネブレ 言葉の格子 風に添って ゴミ運びの小舟
第十章 1959-62年——第四詩集『誰でもない者の薔薇』
(かれらの中には土があった) 讃歌 アーモンド形の光輪(マンドルラ)
第十一章 1963-65年——第五詩集『息の転回』
(あなたは遠慮せずに) (糸筋の太陽は) (かつて)[1965年]
第十二章 1966-70年——第六詩集『糸筋の太陽』以後
(かつて)[1967年]
年譜
使用テクストおよび参考文献
あとがき