みすず書房

2013年のある日、アメリカの経済規模が突然3パーセントも大きくなったのはなぜか? 2008年、深刻な金融危機のさなかにイギリスの金融産業が大きく拡大したのはなぜか? これらの答えを握るのがGDPだ。この小さな数字は、ニュースをにぎわし、政治にも、日々の生活にも多大な影響を与えるが、その真の姿を理解している人は少ない。
18世紀の戦争により始まった先駆的試みから、1940年代における誕生、戦後の「黄金期」を経て、現在直面している限界と課題までを歴史的にたどりつつ、GDPは何を測るのか、GDPはどのように変化してきたのか、21世紀にふさわしい新たな経済指標はなにかを明らかにする入門書。

目次

はじめに

第1章 戦争と不況──18世紀-1930年代
国民経済計算の黎明期
現代の国民経済計算の誕生
GDPとは何か
GDPの定義と求め方
アフリカは本当に貧しいのか
シリコンバレーの悩ましい統計事情
幻の1976年危機
「生産の境界」をめぐる問題

第2章 黄金時代──1945-1975年
戦後の黄金時代
暮らしはどれだけよくなったのか
為替レートと購買力
国際比較データは何を教えてくれるのか

第3章 資本主義の危機──1970年代
スタグフレーションの襲来
共産主義の脅威
地球環境への新たな関心
貧困問題と人間開発指数

第4章 新たなパラダイム──1995-2005年
新たな経済成長理論
「ニューエコノミー」ブーム
サービスの価値をどう測るか
イノベーションと多様化

第5章 金融危機──現在
ギリシャ悲劇の3要素──傲慢、愚行、破滅
金融業は価値を生んでいるのか
生産と非生産の境界
インフォーマル経済をどう扱うか
GDPか、豊かさか

第6章 新たな時代のGDP──未来
複雑化する経済
生産性のパズル
持続可能性
おわりに──21世紀の国民経済計算とは

謝辞
索引
原注

書評情報

脇田成(首都大学東京教授)
日本経済新聞2015年10月5日
福島清彦(経済学者)
前田裕之(編集委員)
日本経済新聞「活字の海で」2015年12月20日(日)
河野龍太郎(BNSバリバ証券経済調査本部長)
週刊東洋経済2015年12月19日