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死ぬとはどのようなことか

終末期の命と看取りのために

ÜBER DAS STERBEN

Was wir wissen. Was wir tun konnen. Wie wir uns darauf einstellen.


「「不安」は、命の終わりについて闘わされる多くの激論の背後に隠れている題名のようなものです。……解消したいと願いながらも口にはされないことがらであり、わざと無視されることがあまりにも多い問題です。それは死ぬということについての、そして死に臨んだときの、意思疎通を妨げる最大の障害となります」

終末期に最も大切なことは、患者本人、家族、医師、看護師らのあいだの十分な対話である。そのためにはわれわれは日頃から《死》をタブーにすることなく、積極的に論じなくてはならない。
本書は、死が間近な人の生の実態、「安楽死問題」、患者の事前意思表明書など、アクチュアルな問題を論じ、ドイツで読まれ続けているベストセラーである。医療に求められるのは、患者の痛みを鎮めることだけではない、人間としての尊厳を保ちながら穏やかに死を迎えられるようにすることである。著者の説く看取りの教育はドイツの医師養成課程に採り入れられ、不可欠の課題になっている。
緩和医療やホスピスをめぐる誤解や偏見をただし、よりよい終末期のための医療と社会制度を説く、《死》に関する現代の必読書。


目次


まえがき
新書版まえがき

第1章 死ぬことについてわたしたちは何を知っているか
わたしたちはなぜ死ぬのか
プログラム化された細胞死
臓器の死
生体の全体死
脳死は人間の死か
誕生と死はよく似たできごとである
  誕生/死亡
臨死体験

第2章 命の終わり──希望と現実
病院
集中治療室
介護施設
自宅
緩和医療病棟とホスピス

第3章 看取りの構造
開業医
SAPV(緩和医療専門外来)チーム
緩和医療科
緩和医療における共同診察業務
入院ホスピス
訪問ホスピス・サービス
医療のピラミッド
ほかになすべきことは何か
医学生の専門教育
緩和医療従事者の再教育
展望

第4章 命の終わりに人は何を必要とするか
a 意思疎通
  観察の経験から/医学の授業を変えていく/啓発による支援/多数の専門分野の意思疎通/意識が稀薄なときの意思疎通/家族の内輪の意思疎通
b 医学的治療
  痛み/呼吸困難/神経精神病の症状/一時的な鎮静
c 心理社会的介護
  心理的な看取り/社会福祉業務/悲しみに寄り添う
d 人間の霊性に配慮した看取り
  そもそも(医学において)霊性とはどういう意味か/霊性と価値観と人生の意味/医師の役割/司牧者の役割/チームの役割/むすび

第5章 黙想と重い病
黙想とは何か
黙想がなぜ重い病のとき助けとなるのか
最後に念のため

第6章 空腹と渇きは死を招くか──終末期の患者、認知症または植物状態の患者への栄養水分補給
健常者との栄養水分補給の違い
人工栄養と認知症
植物状態の患者にたいする栄養水分補給
  植物状態と最小意識状態/植物状態における栄養補給の適応

第7章 命の終わりにもっとも頻繁に遭遇する問題──また、どのようにしてそれを防ぐか
意思疎通の問題
  医師と患者のあいだの意思疎通/家庭内での意思疎通/看護チーム内のさまざまな職種のあいだの意思疎通
治療の失敗
  終末期における「涸渇死」と「窒息死」/過剰な医学的治療/緩和医療の不足/不必要な鎮静処置/鎮痛のためのモルヒネ/呼吸困難にたいする誤った治療
心理社会的な問題と霊性に根ざす問題
  どんな助けも受け入れられない/自分自身の欲求を排除する

第8章 命の終わりのための準備──意思決定委任状と患者の事前意思表明書
意思決定の願望
終末期に備える計画
終末期への備えの方法
  終末期における医療判断に関する意思決定委任状/介添人指定/自分自身の価値観/患者の事前意思表明書
患者の事前意思表明書がないと、何が起こるか
推定意思が確定できないと、何が起こるか
裁判所の介入が求められるのはどのようなときか
命の終わりにおける決断のための三つの黄金律

第9章 医療における「死亡幇助」とはどのようなことか──自己決定と死への備えとのあいだの終末期医療
「積極的死亡幇助」
「消極的死亡幇助」と医学的適応
「間接的死亡幇助」
新しい概念
自死幇助
医師による自死幇助をわたしたちは必要としているか

第10章 緩和医療とホスピスの活動──神話と現実
緩和医療とホスピスの活動
  起源/ドイツでの展開/過度の倫理的要求の危険
緩和医療を認めさせる闘い
  麻酔科か腫瘍科か/ドイツにおける緩和医療学講座の発展/だれがそれで得をするのか/将来にとっての危険と希望

第11章 死を目前にした命──緩和医療の贈り物
むすび

謝辞

訳者あとがき


著訳者略歴

ジャン・ドメーニコ・ボラージオ
Gian Domenico Borasio

1962年、ノヴァーラ(イタリア)生まれ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
佐藤正樹
さとう・まさき

1950年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学名誉教授。博士(文学)。ドイツ文学・文化史。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

<信濃毎日新聞 2015年10月11日>
((日本看護協会出版会))
<COMMUNITY CARE 2016年2月>
<訪問看護と介護「今月の5冊」 2016年6月>

関連リンク

この本の関連書


「死ぬとはどのようなことか」の画像:

死ぬとはどのようなことか

「死ぬとはどのようなことか」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 3,672円(本体3,400円)
ISBN 978-4-622-07923-1 C0036
2015年8月25日発行

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