最後の詩集
LAST POEMS

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 96頁 |
定価 | 1,980円 (本体:1,800円) |
ISBN | 978-4-622-07932-3 |
Cコード | C0092 |
発行日 | 2015年7月1日 |

LAST POEMS
判型 | 四六判 |
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頁数 | 96頁 |
定価 | 1,980円 (本体:1,800円) |
ISBN | 978-4-622-07932-3 |
Cコード | C0092 |
発行日 | 2015年7月1日 |
2015年5月に亡くなった詩人が自ら編んだ「最後の詩集」。 『長田弘全詩集』に収められた以降の近作15篇。詩人はつねに陽気であらねばならない、というのが一貫した姿勢だった。
「夏、秋、冬、そして春」「冬の金木犀」「朝の習慣」。これらの詩行に潜む箴言のような一節。 「思うに、歳をとるにつれ/人に必要となるものはふたつ、/歩くこと、そして詩だ。」
身軽に旅をした。2013年に旧友たちと巡ったシチリア島や、ひょいと出かけたフィレンツェ、アッシジなど、晩年に好んだイタリアでの偶景が、ふと気づくと省察になっている。
そして、「One day」という短い詩。「昔ずっと昔ずっとずっと昔/朝早く一人静かに起きて/本をひらく人がいた頃」と始まり「人生がよい一日でありますように」と終わる詩で、この『最後の詩集』は静かに閉じられる。
青い空のようにあくまで明るく、なおかつ深い、75年をまるで一日のように生きた詩人が残してくれた、本の贈り物。
2014年に発表された連作小文「日々を楽しむ」を大橋歩のイラストとともに併せ収める。
「最後の詩集」
シシリアン・ブルー
カタコンベで考えたこと
円柱のある風景
夏、秋、冬、そして春
詩って何だと思う?
冬の金木犀
朝の習慣
アッティカの少女の墓
アレッツォへ
アッシジにて
フィレンツェの窓辺で
ハッシャバイ
ラメント
詩のカノン
One day
「日々を楽しむ」
ネムルこと
探すこと
ドアは開いている
習慣のつくり方
何もしない
お気に入りの人生
「『長田弘全詩集』は、「全・詩集」として編まれた。新編修による二冊の完成版(definitive edition)をふくめて、これまで公刊された十八冊の詩集を収める。いわゆる「全詩・集」とは異なって、未刊の詩集、エピグラム、これまで未収録の詩篇、はぶかれた詩篇、子どもたちへの詩篇、詩文集、選詩集などは収めない」
(「編集について」)
著者自身がこう書かれたように、『長田弘全詩集』の編集時点で未刊だった詩は、そこには含まれていません。本書『最後の詩集』に、『長田弘全詩集』後の最晩年の詩が収められています。