フロイトとアンナ・O
最初の精神分析は失敗したのか
SIGMUND FREUD AND THE HISTORY OF ANNA O.
判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 272頁 |
定価 | 6,050円 (本体:5,500円) |
ISBN | 978-4-622-07938-5 |
Cコード | C3011 |
発行日 | 2015年10月9日 |
SIGMUND FREUD AND THE HISTORY OF ANNA O.
判型 | A5判 |
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頁数 | 272頁 |
定価 | 6,050円 (本体:5,500円) |
ISBN | 978-4-622-07938-5 |
Cコード | C3011 |
発行日 | 2015年10月9日 |
「治療中断の一年後、ブロイアーはフロイトに、彼女はすっかり錯乱している、彼女は死んだほうがよいのではないか、そうすれば苦しみから解放されるのにとさえ思う、と打ち明けた」
ヨーゼフ・ブロイアーとジークムント・フロイトの『ヒステリー研究』(1895)において提示された「症例アンナ・O」。この症例は、のちにアーネスト・ジョーンズによって書かれたフロイトの伝記が発表されて以来、「『ヒステリー研究』の記述にあるような輝かしい成功ではなく、治療は失敗だった」と見なされるようになった。
ジョーンズによれば、アンナはブロイアーによる治療ののち、重篤なモルヒネ依存に苦しみ、毎日幻覚状態に陥っていたという。そしてこの事実は後年、治療後のアンナの足取りを追った医学史家アンリ・エランベルジェの研究によって追認されることとなるのである。
はたして、症例アンナ・Oの治療は本当に失敗だったのか? 本書は、『ヒステリー研究』の治療記録、アンナの入院先の医師による記録、関係者の書簡、追跡研究などの膨大な資料を掘りおこし、その治療結果の真実に迫るものである。精神分析学の始まりとなった症例の謎が、いま解き明かされる。
序
緒論 アンナ・O症例の来歴
第1部 症例の展開
第1章 1882年の症例報告
第2章 その後の証言
第3章 症例研究の出版
第4章 フロイトの説明——再構成
第5章 防衛と性愛
第6章 転移とファウスト的命題
第2部 伝説の生成
第7章 伝説の誕生——アーネスト・ジョーンズ
第8章 伝説の発展——アンリ・エランベルジェ
第9章 伝説の成熟——諸説の派生
結論
原注
年譜
文献
索引