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不合理性の哲学

利己的なわれわれはなぜ協調できるのか

著者
中村隆文

利益、罰、自由、平等……われわれが日頃あたりまえに合理的な価値基準に基づいていると考えている物事は、本当に合理的なのだろうか? 合理的だからこそわかり合えていないということはありえないのだろうか? そして、人間のもつ「不合理さ」は不必要なものなのだろうか?
本書はデイヴィッド・ヒュームによる理性批判を出発点に、ロールズ、ハイエク、ゴティエ、サンデルら現代の思想家たちが人間の合理性、そして不合理性をどのように捉えてきたのかを読み解いてゆく。さらに、心理学や行動経済学のユニークな実験から得られた知見を考察し、日常にひそむ「合理性の限界」と「不合理性の可能性」を探求する。
われわれはどのように自分や他人の「不合理さ」を認め、協調していくことができるのだろうか――読者とともに考え、哲学する一冊。


目次


はじめに

第 I 部 社会的協調
第1章 コンヴェンション分析
1 ボートでのオール漕ぎ
2 穀物の刈り入れ
3 共有放牧地の排水

第2章 合理性から協調は引き出せるか?
1 ゲーム理論的分析
2 ロールズの『正義論』と無知のヴェール
3 ニュートラルな合理性の行き詰まり――ゴティエの契約論

第3章 応報的感情
1 復讐には意味がない?
2 罰の在り方
3 罰よりモラル?――合理的な不合理性

第 II 部 合理的な選択
第4章 理性とルール
1 設計主義の限界
2 社会進化論的リバタリアニズムとハイエク主義との違い
3 情報の限界、信頼の限界

第5章 「幅」のある規範的合理性
1 行為の「理由」と「原因」の区別
2 ヒューム主義 vs. 反ヒューム主義
3 計画、ポリシー、「幅」のある規範的合理性

第6章 不合理な交流から合理的な共存へ
1 不合理な利己性
2 リスク回避的協調
3 共感の拡大と限界

第 III 部 自由な社会
第7章 不自由な責任主体
1 「合理的」だから「自由」であるのか?
2 理性と責任
3 道徳的な証拠
4 愚行の自由

第8章 膨張する自由、変容する社会
1 自由の膨張
2 社会の変形
3 「物語」の剥奪

第9章 不合理性の哲学
1 擬制としての「自由」
2 不合理な「信頼」
3 「合理的」という看板

あとがき
文献


著訳者略歴

中村隆文
なかむら・たかふみ

1974年生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。千葉大学非常勤講師、鹿児島工業高等専門学校専任講師、同准教授を経て、2014年より釧路公立大学経済学部准教授。文学博士。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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不合理性の哲学

「不合理性の哲学」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/280頁
定価 4,104円(本体3,800円)
ISBN 978-4-622-07962-0 C1010
2015年12月21日発行

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