文楽の日本
人形の身体と叫び

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 272頁 |
定価 | 4,620円 (本体:4,200円) |
ISBN | 978-4-622-07965-1 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2016年2月10日 |

判型 | 四六判 |
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頁数 | 272頁 |
定価 | 4,620円 (本体:4,200円) |
ISBN | 978-4-622-07965-1 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2016年2月10日 |
滞日十年、自身も義太夫をまなぶフランスの批評家による、体験的文楽エッセー。バタイユ、ジュネ、ギュヨタなどを援用しつつ、ロラン・バルト『記号の国』に連なっていく批評には新鮮な魅力があり、これまでの文楽の見方を一変させる。多くの創見とエスプリにみちた身体芸術論にして比較文化論。
「ある種の情熱にとりつかれて私は、年に12回国立劇場に足を運び、人形の身体の錯乱と解体がどこまでいくのか見届けることにした。なんとなく漠然とではあるが私には予感があった。このような断片化は、俳優の崩壊の比喩、登場人物の分散であり、そこで問題になっているのは、俳優がいかにして舞台空間を占めるかということではなく、舞台空間によって気も狂わんばかりとなり、拠点を移さざるを得ない、そんなあり方なのだ。そのような俳優のあり方が台頭してきたのは、ここ半世紀のことに過ぎないが、それが文楽の舞台にはある。文楽を西洋の舞台から隔てるもの(そればかりか、ある意味では能や歌舞伎とも隔てるもの)、それは、文楽の舞台が『遊びの場』であるというその本質においてのことなのだ。〔……〕文楽はさらに先へと踏み込み、(ディオニュソス的な?)身体の切断をテーマの中心に据え、こうして舞台を、自らを映し出す鏡とし、自らをそこで解剖してみせたのだ。」
碑文に代えて、まずは簡潔に
島の住人たち
血みどろのものたち
穴のあるものたち
介在するものたち
謝辞
参照文献
訳者あとがき