セザンヌ論【新装版】
その発展の研究
CEZANNE

判型 | 四六判 |
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頁数 | 240頁 |
定価 | 3,300円 (本体:3,000円) |
ISBN | 978-4-622-07971-2 |
Cコード | C1071 |
発行日 | 2015年11月25日 |

CEZANNE
判型 | 四六判 |
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頁数 | 240頁 |
定価 | 3,300円 (本体:3,000円) |
ISBN | 978-4-622-07971-2 |
Cコード | C1071 |
発行日 | 2015年11月25日 |
「セザンヌのこうした静物画が劇的、抒情的、等々でないのは、何も感情の欠如のせいではなく、削除と凝縮の結果である。いわばこれらの絵は、すべての劇的事件を取り去ったドラマなのである」(R・フライ)
本書は、フライの多岐にわたる著作中、セザンヌにおける《サント・ヴィクトワール山》のごとき重要な位置を占めている。現代の美術批評において、彼の「フォルマリスト」的方法を確立させた著作、彼の頂点をなす主著といっても過言ではなかろう。セザンヌの表現形式の展開=発展を具体的作品に即して詳細に分析し、その歴史を跡づけてゆく力量は非凡であり、力強い説得力をもっている。また、伝記的事実やエピソード、美術史的背景にもしっかりと眼が行き届いており、コンパクトながらこの一冊でもって、近代絵画の父=セザンヌの芸術と生涯を辿れる仕組みになっている。ロマン主義的な激しい表現から印象主義の先例、水彩画の影響、さらにプッサン流の古典主義へと深化するセザンヌの表現史が彼独自の精神的ドラマとみごとに織り合わされているのである。本書はいわば、セザンヌに関する先駆的=範例的研究であると同時に、興味津々たる一冊の伝記ともなっている。
[初版1990年11月30日刊]
まえがき
セザンヌ略年譜
セザンヌ論
図版
解説
訳者あとがき