みすず書房

ヘンリー・ソロー 野生の学舎

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 288頁
定価 4,180円 (本体:3,800円)
ISBN 978-4-622-07978-1
Cコード C1010
発行日 2016年7月12日
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ヘンリー・ソロー 野生の学舎

〈私は、けたたましい声で笑うアビやウォールデン湖そのものとおなじように、少しもさびしくはない。ほう、あんな孤独な湖にどんな仲間がいるのかね? ところが、あの群青の湖水のなかには、青い陰気な悪魔ではなくて、青い衣の天使が住んでいるのだ。太陽だってひとりである。〉(『ウォールデン』)

アメリカでもっとも著名で独創的な思想家、ヘンリー・ソロー。ウォールデン湖畔に自ら建てた小屋で自給自足し、森を毎日何時間も歩く、たった独りの生活を送った。奴隷制に反対し、2冊の本を刊行し、44歳で生涯を終えた。森で結実したその思索は、現代社会の危機とそこに生きる人間のありかたを示唆し、世界に大きな影響を与えた。
謎に満ちたこの思想家の学舎に、私たちは招かれている。歩くこと、孤独、自然、市民、共同体…『コンコード川とメリマック川の一週間』『ウォールデン』『散策』『メインの森』『ケープコッド』『社会改革論集』そして膨大な日記に誘われ、本書はその思索のエッセンスを発見する。急激な産業化と社会の激動の中で、真に自由な生き方を考え続けたソローのすべてをそっと手渡す一書。

[第68回読売文学賞〈随筆・紀行賞〉受賞]

目次


I まっ白なノート
II 定住する旅人
III 意志あるものとしての野生
IV より高次の法
V 死者たちの岸辺
VI 翼ある思想
VII 書かれない書物
VIII 音楽と沈黙
IX 孤独であることの華やぎ
X たったひとりの共同体
XI 思索の矢尻とともに
XII 霧の子供たちのなかへ

後記
書誌

書評情報

佐倉統(東京大学教授)
朝日新聞「2016年の収穫、心に残る本」2016年12月25日(日)

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