みすず書房

1930年代から十数年の間に発表されたアランの芸術・文芸批評。自己の思惟は他者の思惟によって培われることを知り抜いていたアランは、すぐれた読者であり、同時に子どものように純粋に読むことの愉しみを知る、最上の読者だった。ラブレー、バルザック、ヴァレリー…アランの愛したこれら作家たちの人と作品が語られ、また、画家アングルが、バッハやセザール・フランクの音楽が解き明かされる。

要約や抜粋、解説や註釈とはいっさい無縁、作品の前に心を開き、おのれ自身と共鳴するものを受け入れてはじめて、種子は蒔かれ、古典は再生産されてゆく——読者自身の思索を誘い出そうとするアラン一流の論説、全10篇。

目次

まえがき
ラブレー
サン=シモン
野心のロマネスク  あるいはスタンダール流の恋愛について
バルザックの文体
詩人の立場  ヴィクトル・ユゴーを讚える
ラペルーズでの午餐
詩を讃える
アングル  あるいはデッサンと色彩の対立
ヨハン = セバスチャン・バッハの言語
セザール・フランク

訳註
訳者あとがき
初出一覧