みすず書房

悪戯の愉しみ

大人の本棚

判型 四六判
頁数 288頁
定価 2,640円 (本体:2,400円)
ISBN 978-4-622-08056-5
Cコード C1397
発行日 2005年3月23日
備考 現在品切
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悪戯の愉しみ

「世の中には、複雑な人間と単純な人間がいる。」「問題のひげというのは、パリでも五指に入るみごとなひげだったと仮定しよう。そしてもう、その話はよそう。」「あつかましさにかけては、医者の右に出るものはあるまい。」

こんな書き出しにピンと来たあなたは、もうアレーの世界に足を踏み入れている。アレーは国家、政治、宗教、恋愛、結婚、生死などを笑いの標的にした。ブルトンは『黒いユーモア選集』で、批評性、破壊力がつよいアレーの作品を「エスプリのテロリスム作用」と呼んでいる。

日本でも戦前は『新青年』、戦後は澁澤龍彦に熱を上げさせたアレー。没後百年を記念してここにまた、作家山田稔の改訳、新訳とりまぜた名訳でお届けする。

目次

コラージュ/キス男/小さなブタ/静物/とびきり上等の冗談/お返し/単純な人々/親切な恋人/夏の愉しみ/輝かしいアイデア/宣伝狂時代/新式照明/小さな生命を大切に/ひげ/法律/医者/ウソのような話/義足氏の不思議な冒険/ブルジョワ風の純愛/なにものも無駄にせずに/善意の報い/愛のことば/ダーウィン萬歳/旅先で/見つけた!/恰好をつけるために/当世風の女/火/北極の氷を解かそう/涙/奇妙な死/歩行植物/結婚生活の悲惨/ザ・コープス・カー/Confort/1900年のためのエッフェル塔利用法/両棲動力/スケート/あの手この手/金物屋の店で/急がずに/予期せぬ結果/細かく……/二十二号室の目覚め/ロシア式犯罪/赤い軽騎兵の白い夜/寡婦の息子/ステンド・グラス/かわいそうなセザリーヌ/安上がりの愛国主義

新版へのあとがき