みすず書房

夕暮の緑の光【新装版】

野呂邦暢随筆選

判型 四六判
頁数 240頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-08904-9
Cコード C1095
発行日 2020年4月1日
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夕暮の緑の光【新装版】

「一番大事なことから書く。それは、野呂邦暢が小説の名手であるとともに、随筆の名手でもあったということだ。……ちょっとした身辺雑記を書く場合でも、ことばを選ぶ厳しさと端正なたたずまいを感じさせる文体に揺るぎはなかった。ある意味では、寛いでいたからこそ、生来の作家としての資質がはっきり出たとも言えるのである」
(岡崎武志「解説」)

1980年5月7日に42歳の若さで急逝した諫早の作家、野呂邦暢。
故郷の水と緑と光を愛し、詩情溢れる、静かな激しさを秘めた文章を紡ぎ続けた。この稀有な作家の魅力を一望する随筆57編を収録。

[初版2010年4月23日発行]

目次

東京から来た少女
装幀
「漁船の絵」
H書店のこと
馬の絵
小林秀雄集
フイリップ
花曜日
日記
菜の花忌
伊東静雄の諫早

古書店主
S書房主人
貸借
引っ越し
京都
ブリューゲル
衝立の向う側
アドルフ
LIRIKA POEMARO
澄んだ日
山王書房店主
ボルヘス「不死の人」
The Family of Man
ODE MARITIME

一枚の写真から
鳥・干潟・河口
ある夏の日
モクセイ地図
川沿いの町で
グラナダの水
土との感応
「筑紫よ、かく呼ばへば」
シルクスクリーン
諫早市立図書館
友達
奇蹟

夕暮の緑の光
小説の題
「草のつるぎ」
「海辺の広い庭」
「鳥たちの河口」
「諫早菖蒲日記」
名前
フィクションによるフィクションの批評
クロッキーブック
「ふたりの女」をめぐって

最後の光芒
G三五一六四三
七人の侍
単独者の悲哀
昔はひとりで……
ネコ
カーテン
夕方の匂い
木の鉢
田舎司祭の日記

解説  岡崎武志
初出一覧