「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



エコロジーの思想

自然との和解への道 下

WEGE ZUM FRIEDEN MIT DER NATUR


「人間理性の立法は、自然法則と道徳法則を二つのまったく異なった法則として含んでいるというカントの主張に、もちろんとどまってはならない。さらなるパースペクティブは、自然を自由の規定のもとで思惟することである。」(8章より)

人間と動植物を、受苦能力と利益の観点から平等とみなす、自然の法共同体とは何か。自然を支配する知としての科学技術は、近代においていかに発展してきたのか。一般社会に責任をもち、知るに値する学問はどうあるべきか。人間が自然に所属していることを、感性的に経験する仕方とは。社会民主主義勢力と保守勢力が、ともに手を携えて自然との和解をめざす政治文化を、これからいかに築いていくのか。

「学問、自然科学あるいは社会科学は、何を知るのがよいのかについて価値が決定されていることを前提にしている。この意味で学問は価値中立的ではない。」(10章より)

「われわれ人間は動物と植物、風と水、天と地とともに自然的生命共同体のなかにいる。それゆえ、私は自然的共世界にたいして人間が責任を有しているという理解を、国家目標として基本法に採用することを提案する。」(12章より)

自然的共世界の権利から、自然との和解という政治目標まで、歴史と将来におよぶ広大な展望のもとで粘り強く思索する。


目次


II部 自然との和解の条件(続き)
8章 市民的法治国家から自然の法共同体へ
8・1 環境政策における自然的共世界の権利
8・2 自然が真に理解されたときの自然科学と法
8・3 いまや動物も女性的であるのか。自然の法共同体における平等原理
8・4 受苦能力と利益――平等原理の具体化のために
8・5 植物、景観、自然物そして人工物の権利
8・6 自然の権利の宣言? 権利と義務

III部 自然の非暴力的理解への道で
9章 権力の第三段階で――科学と技術の政治的射程
9・1 科学的思惟における力への意志
9・2 新たな人間像と自然像へのコペルニクス的転回
9・3 科学・技術による紛争解決への新形式
9・4 学者の連帯責任
9・5 軍事技術、副作用そしてカント的ハト派の夢――見いだされぬパラダイス
9・6 公共性における科学技術批判
10章 学問の自由の正しい使用について
10・1 学問はまだ自由である価値があるのか
10・2 なぜ専門家はおたがいに反論しあうのか――党派的学問
10・3 自己批判―― 一般社会に対する責任がある学問
10・4 デカルト的分割と哲学の学際的課題
10・5 科学技術的世界の生存条件を研究するための機関
10・6 識るに値する知識
11章 自然的共世界の理解――感性的教養とより自然的な技術のチャンス
11・1 知覚[理解]のゆがみと誤った発展への適合
11・2 化学除草剤に抵抗する栽培植物から、環境破壊に反対する人間の抵抗へ?
11・3 自然経験における自己経験
11・4 エネルギーシステムによる自然的共世界からの遮断
     ――プロメテウスは罰を受けるに値したか?
11・5 景観の経験のゆがみ
11・6 結論――自然的技術と美的教育
12章 自然との和解の政治的チャンス
12・1 文化の経済化――自由から経済の自律へ
12・2 経済を新しい経済スタイルへと文化的に編成しなおすこと
12・3 保守的思考と社会民主的思考における自然的共世界の理解
12・4 故郷への基本権

マイヤー=アービッヒの実践的自然哲学――訳者解説
参考文献目録
人名索引


著訳者略歴

K・マイヤー=アービッヒ
Klaus Michael Meyer-Abich

1936年ハンブルク生まれ。哲学博士。1972年から2001年までエッセン大学で自然哲学を講じ、現在はエッセン大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
山内廣隆
やまうち・ひろたか

広島大学大学院文学研究科教授(応用倫理・哲学講座)。文学博士。1949年鹿児島市生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学(西洋近世哲学専攻)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「自然との和解への道 下」の画像:

自然との和解への道 下

「自然との和解への道 下」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/296頁
定価 3,080円(本体2,800円)
ISBN 4-622-08164-4 C1010
2006年1月23日発行

この本を購入する