みすず書房

マクルーハンの光景 メディア論がみえる

理想の教室

判型 四六判
頁数 168頁
定価 1,760円 (本体:1,600円)
ISBN 978-4-622-08328-3
Cコード C1310
発行日 2008年2月18日
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マクルーハンの光景 メディア論がみえる

メディア論の元祖にして不可解な思想家マーシャル・マクルーハン。ジョン・ケージが絶讃した本邦初訳の「外心の呵責」の精読、「メディアはメッセージである」の新解釈、聴覚空間論。グールド、シェーファー、フラー、前衛芸術との出会い。ジョン・レノンとの接触と「地球村」の再考。吉田秀和賞のグールド研究者による斬新な入門。

目次

テキスト——マクルーハン「外心の呵責」(宮沢淳一訳)

第1講 マクルーハン精読
テキストの読み解き方/テクノロジーと拡張/中枢神経系の拡張/題名の意味/ナルキッソスと麻痺/催眠術と歯科医療/同一化とバックミラー/電子テクノロジーの地球規模の拡張/感覚比率/ニュルンベルク裁判/印刷文化の思考様式/アルファベットと直線性/電子メディアと聴覚空間/再部族化と地球村/テレビは視覚ではなく——/錯綜するパラグラフ/再部族化と職業の終焉/情報化社会/判断保留と芸術家

第2講 メッセージとメディア
マクルーハンの半生/博士論文の位置/『機械の花嫁』(1951年)/花嫁はどこから来たのか/新聞・マラルメ・キュビスム/『探求』誌創刊(1953年)/『グーテンベルクの銀河系』(1962年)/『メディア論』(1964年)/ホットとクール/二分法の本質/「メディアはメッセージである」と訳してよいか/「〜は」ではなく「〜こそが」である/「メッセージ」と「内容」は違う/メッセージからマッサージヘ

第3講 ジョン・レノンと地球村
「ベッド・イン」キャンペーン/ジョン・レノン対マクルーハン/地球村とは/本当に「理想郷」ではないのか/グレン・グールドの受けとめた「地球村」/マリー・シェーファーの「サウンドスケープ」/ジョン・ケージの傾倒/同時多発性とハプニング/地球村と宇宙船地球号/一人歩きの本質/反環境としてのカナダ/環境が芸術になるとき/反環境を生み出す芸術家/フルクサスと日本の美術界/ナム・ジュン・パイク

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