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始まりの本

アウグスティヌスの愛の概念

DER LIEBESBEGRIFF BEI AUGUSTIN


「こうして「愛(ディレクティオ)」は、自己自身が他の人々と共通の危機の中にあるとの認識に根拠づけられている。キリスト信徒の「世界内存在」In-der-Welt-seinは、自らの過去への帰属性を表しているが、同時に危機の中にある存在をも意味している。(…)こうして「地の国」における人々の相互生活の基盤を作り上げていた運命共有者としての仲間意識が、再び新たな自覚において保持されるようになる。」

ヤスパースの指導と、ハイデガーの影響のもとに書かれたこの博士論文は、ナチスの政権掌握によって亡命を余儀なくされたアーレントが、つねに携え、長い年月をかけて手を加えつづけた一冊である。このデビュー作のなかには、成熟期の政治哲学にみられるものがすでに胚胎し、のちの思想的展開の豊かな基盤ともなっていることにまず驚かされる。
政治的・道義的に急速な転換をみた1920年代のドイツで、アーレントはアウグスティヌスという哲学史上・神学史上の巨人と、愛の概念について、社会のきずなの存在論的根拠について、さまざまな角度から対論を試みている。共同性の存在論を問うことで、自己と隣人と世界に対する、みずからの魂の位置づけを探求するかのように。
1929年にドイツで刊行された初版本を底本とし、のちに本人の手で加えられた注釈や修正をいかした英語版についても言及した、訳者による詳細な解説に加えて、今回新たに、解説「アーレント政治思想の展開と著作案内」を付す。

[2002年 単行本初版刊行]


目次


目次
凡例
はじめに

第1章 「欲求としての愛」Amor qua Appetitus
1節 「欲求」Appetitusの基本構造
2節 「愛」caritasと「欲望」cupiditas
3節 「秩序づけられた愛」Ordinata dilectio
第1章の付論1
第1章の付論2

第2章 「創造者」Createorと「被造者」creatura
1節 「被造者」の起源Ursprungとしての「創造者」
2節 「愛」caritasと「欲望」cupiditas
3節 「隣人愛」Dilectio proximi
第2章の付論

第3章 「社会生活」Vita socialis


訳者解説
あとがき
〈始まりの本〉版によせて


著訳者略歴

ハンナ・アーレント
Hannah Arendt

1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
千葉眞
ちば・しん

1949年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程(政治思想)修了後、プリンストン神学大学(Ph. D. 政治倫理学)。現在 国際基督教大学教養学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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「アウグスティヌスの愛の概念」の画像:

アウグスティヌスの愛の概念

「アウグスティヌスの愛の概念」の書籍情報:

四六変型判 タテ191mm×ヨコ130mm/312頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-08349-8 C1310
2012年1月10日発行

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