みすず書房

カフカとの対話

始まりの本

手記と追想

GESPRACHE MIT KAFKA

判型 四六変型判 タテ191mm×ヨコ130mm
頁数 384頁
定価 4,180円 (本体:3,800円)
ISBN 978-4-622-08359-7
Cコード C1398
発行日 2012年11月 1日
備考 現在品切
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カフカとの対話

「「では、ヘル・ドクトル、真実はわれわれに永遠に閉ざされているとお考えなのですね」
カフカは黙った。彼の眼は非常に細く、暗い影を帯びた。彼の大きく突き出た咽喉仏が、首の皮膚の下で何度か上下するのが見えた。彼はしばらく、事務机の上に支えた両手の指先を見つめていた。やがて彼はしずかに言った。「神、生命、真実——これらは一つの事実の異名にすぎません」
私は執拗につづけた。「われわれにそれを把握することができるのですか」「それを体験するのです」そう言うカフカの声には、かすかな不安がふるえていた。」

「冷静は力の表現です。…静かな忍従は人を自由にします——たとえ処刑を前にしても」
青年は「ドクトル・カフカ」と出会い、慕い、語り合った。人間カフカの思想・声・姿を瑞々しく伝える貴重な書物。

目次

日本語版によせて
まえがき

カフカとの対話

この書物の物語——あとがきに代えて


筑摩叢書版への訳者あとがき
第二刷あとがき
ちくま学芸文庫版によせて
〈始まりの本〉版への訳者あとがき
解説(三谷研爾)
プラハ市街関連地図
プラハ地名その他、ドイツ語‐チェコ語対照表