みすず書房

草の葉 初版

大人の本棚

LEAVES OF GLASS

判型 四六判
頁数 264頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-08506-5
Cコード C1398
発行日 2013年5月24日
備考 現在品切
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草の葉 初版

「ぼくは、ぼくを祝福する、/ぼくの身につけるものを、きみも身につける、/ぼくに属すあらゆる原子は同じくきみに属すから。//ぼくはのらくらしてじぶんの魂を招く、」

ホイットマンは詩集『草の葉』を、1855年の初版以来、生涯をかけていくつもの版で拡張・訂正しつづけた。それによって最終版(1891-92年)は初版の5倍ほどの分量に膨れあがった。
これまで日本での訳本は、現行の岩波文庫3巻本をはじめ、最終版から翻訳がなされてきた。アメリカでは20世紀の半ばすぎから初版の価値が再発見され、現在では初版をより好む人も少なくない。その後の詩人による改訂で作品はいくぶん穏当になり、また、あまりに分厚い最終版では、作品の真髄が見えにくいからでもある。
アメリカ詩の始まりを告げる世紀の傑作の、新鮮でコンパクトな初版(序文+12篇)に基づく初めての訳詩集。

目次

解題

〔アメリカは過去を拒絶しない〕
〔ぼくは、ぼくを祝福する、〕
〔ぼくに近寄れ、〕
〔時間について考える……過去を顧みて考える、〕
〔ぼくは夜ずっとまぼろしを見てさまよう、〕
〔男たち女たちの体はぼくを包囲する、ぼくはそれらを包囲する、〕
〔舗道を散歩しまた田舎の脇道を乗り進むと、そこに顔たちがある、〕
〔若者がその兄からの伝えをもってぼくのところにきた、〕
〔にわかに生気なく物憂いねぐらから、奴隷たちのねぐらから、〕
〔そこ道をあけろ! ジョナサン!〕
〔ひとりの子どもがいて毎日出かけた、〕
〔だれがぼくの教えを完全に学ぶか?〕
〔神話は偉大だ……ぼくもまたそれらを愉しむ、〕

訳者解説