「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



ハンザ

12-17世紀

LA HANSE

XIIe-XVIIe siècles


ロシアからアイスランドにおよぶ中世北ヨーロッパ交易を支配した、最大にして最長の商人・都市共同体、ハンザ。その制度、文化、歴史を余すところなく詳述した決定版。

「ハンザは、当時の法曹家が当惑するような奇妙な勢力でもあった。ハンザは主権国家ではなかった。というのもハンザ都市は神聖ローマ帝国の領域内に存在し、程度の差はあれ、いずれも多様な聖俗領主の支配下にあったからである。緩やかな組織であるハンザは、法人格を持たず、恒常的な財政や陸海軍も有していなかった。印章もなければ固有の官僚組織や統治機構も持たなかった。唯一の例外的な組織であるハンザ総会 Hansetag すらも開催頻度は低く不定期であり、さらに真の意味で全メンバーが出席する総会であったことなど一度もなかったのである」(序論)。
この、すぐれて中世的でありながら、奇妙な交易「共同体」の黎明期から終焉までを追った全史である。
通史に加え、ハンザの組織構造、都市間の関係、船舶・航海・船主のありよう、ハンザ商人の類型と生涯、ライバルとの競争、地域ごとの交易品、生み出した言語・美術なども章別に詳細にとりあげ、ハンザを多角的に照射する。
原書出版後、直ちにハンザ通史最良の定番としての地位を獲得した決定版、ついに邦訳。


目次


序論

第 I 部 商人ハンザから都市ハンザへ 12-14世紀
第1章 12世紀前半の北ヨーロッパ
北方交易/政治的、宗教的、人口的要因/都市の覚醒

第2章 東方におけるドイツ都市の建設とゴットランド渡航商人団体――1150年頃-1280年頃
リューベックの建設/ゴットランド渡航商人団体/ロシアおよびリーフラントへの拡大/バルト海南岸におけるドイツ都市の建設/スカンディナヴィアへの浸透/西方への商業の拡大/ゴットランド渡航商人団体の衰退

第3章 都市ハンザへの道――1250年頃-1350年頃
最初期の都市同盟/初期の勢力争い――フランドルとノルウェー/14世紀初頭におけるデンマークの攻勢とハンザの危機/14世紀前半における経済的拡大――イングランド/黒死病 1350年

第4章 都市ハンザ――北ヨーロッパの大勢力 1350年頃-1400年頃
対フランドル紛争と都市ハンザの形成/デンマーク戦争、ケルン同盟、シュトラールズントの和約/1388年の経済封鎖/ヴィターリエンブリューダーと海賊行為の鎮圧

第 II 部 14、15世紀のハンザ
第1章 ハンザの組織
ハンザの成員/総会と地方会議/四大商館と支所(ノヴゴロド/ベルゲン/ロンドン/ブルッヘ/支所)/ハンザの特徴と行動手段/ハンザ、皇帝、諸侯

第2章 都市
都市についての概観とハンザにおけるその位置(ヴェントおよびポメルンの諸都市/ザクセン、テューリンゲン、ブランデンブルクの諸都市/ヴェストファーレンの諸都市/ネーデルラントとラインラントの諸都市/プロイセン、リーフラント、スウェーデンの諸都市)/人口/社会構造――門閥/手工業者

第3章 船舶、航海、船主
船舶/航海/内陸航行/船主、船長、乗組員/船舶の用船

第4章 商人
類型と団体/商人という職業――個人企業と商事会社/大商人/商人の生涯

第5章 ハンザの経済政策――競合者たち
外国における諸特権/競合者たち/商業規制/信用取引に対する不信/通貨政策

第6章 ハンザの商業
史料/主な特徴/北・南ドイツ/東欧――プロイセン―ポーランドとリーフラント―ロシア/スカンディナヴィア/ブリテン/ネーデルラント/フランス、カスティーリャ、ポルトガル/イタリアとカタルーニャ

第7章 ハンザの文明――13-16世紀
低地ドイツ語/文学と大学/都市の景観/造形美術

第 III 部 危機と衰退 15-17世紀
第1章 危機の高まり――1400-75年
好ましからざる状況/リューベックの体制危機/ドイツ騎士修道会とノヴゴロド商館の弱体化/ハンザとスカンディナヴィア/ハンザとネーデルラント/1470年までのイングランドおよびフランスとの関係/ケルンの離脱とイングランド・ハンザ戦争

第2章 衰退――1475-1550年
商館の衰退/ハンザとフッガー家/宗教改革とその結果/ヴレンヴェーヴァーの失脚

第3章 復活と消滅――1550-1669年
再建への努力/災厄――リーフラント、アントウェルペン、イングランド/商業の発展/ハンザの大都市/三十年戦争とハンザの終末

結論


最近25年間のハンザ史学――1960年から1985年まで
全体の傾向と研究/ハンザ諸都市/ハンザ商業(商人/商業利益と商業慣行/交換、伝達、折衝)

1986年以降のハンザ史研究  柏倉知秀
ハンザ史研究の組織/ハンザ史の概説/個別の研究分野/日本のハンザ史研究

あとがき  高橋理


索引
読書案内
章別参考文献
ハンザ史年表
ハンザ都市一覧

地図 I ハンザ都市と神聖ローマ帝国外のハンザ商館
地図 II 一五世紀のハンザ交易
地図 III ハンザ交易の拡大


著訳者略歴

フィリップ・ドランジェ
Philippe Dollinger

1904年生まれ。ストラスブール大学で M. ブロック、L. フェーヴル、C.-E. ペランの指導を受ける。1945年から1975年までストラスブール大学教授(アルザス史)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高橋理
たかはし・おさむ

1932年生まれ。日本ハンザ史研究会会長。東京大学文学部西洋史学科卒業。同大学院人文科学研究科(西洋史学専攻)修士課程修了。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
奥村優子
おくむら・ゆうこ

早稲田大学法学部、中央学院大学法学部非常勤講師。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小澤実
おざわ・みのる

立教大学文学部准教授。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小野寺利行
おのでら・としゆき

明治大学文学部非常勤講師。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
柏倉知秀
かしわくら・ともひで

徳山工業高等専門学校一般科目教授。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高橋陽子
たかはし・ようこ

関西大学文学部非常勤講師。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
谷澤毅
たにざわ・たけし

長崎県立大学経営学部教授。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

出口治朗(ライフネット生命会長)
<読売新聞 2017年2月12日(日)>

この本の関連書


「ハンザ」の画像:

ハンザ

「ハンザ」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/488頁
定価 6,050円(本体5,500円)
ISBN 978-4-622-08511-9 C1022
2016年12月20日発行

この本を購入する