果報者ササル
ある田舎医者の物語
A FORTUNATE MAN
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 216頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-08552-2 |
Cコード | C0098 |
発行日 | 2016年11月10日 |
A FORTUNATE MAN
判型 | 四六判 |
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頁数 | 216頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-08552-2 |
Cコード | C0098 |
発行日 | 2016年11月10日 |
ブッカー賞作家ジョン・バージャーと写真家ジャン・モアが、一人の田舎医者の姿を通して人間と医療の本質を浮彫にした傑作ドキュメント。
舞台はイングランド南西部の小村。階級社会の最下層に生きる村人たちは、貧困やそれに伴うさまざまなスティグマに絡めとられている。医師ササルはその村に住みつき、傷を負った者、死に瀕する者、孤独な者のケアに当たる。ササル医師が村人との間に築いた稀有な関係性を、二人のアーティストが透徹した視線で記録する。本書の観察は、人間の生の価値の観念を押し広げるような数々の気づきを含んでいる。
治療者とはいかなる存在なのか。他人を癒すことで癒される生、それを限りなく探り究めようとする者の幸福とその代償について、ササル医師は美しくも戦慄すべき事例を提供しており、読後も一巻全体から受けた衝撃が後を引く。
「本書を読んで心を動かされない者は、医師になるべきではない。」(The Nation誌)
原著は1967年刊。以来読み継がれ、今日の極度にマニュアル化された医療に対してますます深く問いかける。静謐でありながら強烈なメッセージを放つ一冊。
【書評】
池内紀氏(毎日新聞 2016年11月27日)
「他人を癒すとはいかなることか。ここにはもの静かな、深く鋭い問いかけがある。」
野田正彰氏(熊本日日新聞 2016年11月13日)
「本書は3度読まねばならない。まず文章と少しだけ写真を、次に写真を、さらに文章と写真を溶かしこんで。」