書簡の時代
ロラン・バルト晩年の肖像
L’ÂGE DES LETTRES

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 216頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-08563-8 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2016年12月10日 |

L’ÂGE DES LETTRES
判型 | 四六判 |
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頁数 | 216頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-08563-8 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2016年12月10日 |
「もし私がこの本を『ロランと私』と名づけていたなら、思い上がりを犯してしまっていただろう。ロランは生前のプルーストと接したことがなかったので、『プルーストと私』と言っても傲慢にはならなかったが、私は生前の彼、ロランを知っていたので、無邪気に『ロランと私』とは言えない。
じつを言えば、肝心なのは自分を彼と比較することでも、彼に同一化することでもない。彼の死後三十五年経ったいま、これまでも頭のなかで、また夢のなかでよくしてきたように、われわれの友情を再考すること、その各段階をあらためてたどり直し、記憶を掘り起こし、彼から受けた恩恵を確認し、彼が与えてくれたものに感謝することが問題なのだ。
人は無理強いされないと、この種の吟味には取りかからない。あるできごとが生じて、そうせずには済まなくなるまで、抵抗しつづけるものだ。以下は、私のロラン探索の記録である。」
コレージュ・ド・フランス教授となった世界的文学研究者が、青年の自分に宛てられたバルトの手紙を読み返し、往時の師弟関係と友情を見つめなおす。名著『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』誕生の貴重な証言であり、「あのころ」をめぐる痛切な文学作品である。