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コリアン・シネマ

北朝鮮・韓国・トランスナショナル

CONTEMPORARY KOREAN CINEMA

Identity, Culture, Politics


日本植民統治期に誕生し、解放後の南北分断、朝鮮戦争を経て今日まで制作されてきた北朝鮮・韓国の「コリアン・シネマ」。その製作と受容はいまや一国内に留まらず、在外コリアンによる監督や外国との合作、資本やキャストの海外調達、国際映画祭への出品にみられるように、複合的な地域性と多様性をもつ人びとを巻き込みながら、排他的な意味での「境界」を拒否するトランスナショナルな発展を遂げている。

コリアンにとって、映画は文化的テクストとしてどのような役割を果たしてきたのだろうか? 本書ではジェンダー、イデオロギー、階級の観点から映画における歴史と文化の表象を分析し、コリアンの民族意識と文化的アイデンティティを探る。
第 I 部では、コリアン・シネマの歴史を各時代の政治状況に照らしつつ俯瞰した上で、朝鮮民話「春香伝」翻案映画5作品や歴史映画の代表作『血の海』『南部軍』、労働者階級の日常を描く『初めて行く道』『追われし者の挽歌』等を分析する。そこから浮き彫りになるのは、イデオロギーの上では相反しつつも、文化的同質性を強く確信し重んじる彼らの姿である。
第 II 部では、グローバルシネマとしてのコリアン・シネマに焦点を当て、『下女』や『オールド・ボーイ』、旧日本軍性奴隷制を扱った『ナヌムの家』『鬼郷』といった作品が社会批評や歴史的記憶の継承において果たす役割を考察する。

映画の一場面の詳細な分析から比較文化的考察まで、縦横無尽に論じた刺激的な書。


目次


図版一覧
凡例

第 I 部 コリアン・シネマ
まえがき
はじめに

第1章 民族的アイデンティティの創造――コリアン・シネマの歴史
第1節 日本植民地期における朝鮮映画
第2節 北朝鮮映画の進展
第3節 韓国映画の進展

第2章 ジェンダーと「春香伝」映画
第1節 「春香伝」の起源
第2節 朝鮮映画史における「春香伝」の意義
第3節 韓国映画における春香像
第4節 北朝鮮映画における春香像
第5節 春香とコリアン社会の家父長主義的ジェンダー関係
第6節 「春香伝」における階級と伝統的家族観

第3章 民族意識と映画における歴史の表象
第1節 北朝鮮映画における反帝国主義
第2節 韓国映画における反共主義
第3節 家族意識と民族意識

第4章 現代コリアにおける階級と文化的アイデンティティ
第1節 北朝鮮映画にみる階級闘争
第2節 韓国映画にみる階級のダイナミクス
第3節 階級の存在と文化的伝統

結論

第 II 部 トランスナショナル・シネマ
『春香伝』――ニュー・コリアン・シネマで古い伝統を「売りこむ」
アジアン・ノワールにおける無法者の影――広島、香港、ソウル
1960年代韓国ホラー映画における家族、死、そして怨魂(ウォンホン)
『ナヌムの家』から『鬼郷』まで――映画を通した旧日本軍性奴隷制の記憶継承
グローバルシネマとしての韓国映画と北朝鮮映画――2000年から現在まで

訳者あとがき
フィルモグラフィ
作品索引
人名索引


著訳者略歴

イ・ヒャンジン
李香鎮/Hyangjin Lee

韓国・釜山生まれ。専門は韓国、北朝鮮、日本を中心とするアジア映画研究。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
武田珂代子
たけだ・かよこ

熊本市生まれ。専門は翻訳通訳学。米国・ミドルベリー国際大学モントレー校(MIIS)翻訳通訳大学院日本語科主任を経て、2011年より立教大学異文化コミュニケーション学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「コリアン・シネマ」の画像:

コリアン・シネマ

「コリアン・シネマ」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/456頁
定価 6,480円(本体6,000円)
ISBN 978-4-622-08664-2 C1074
2018年2月15日発行

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