公共図書館の冒険 電子書籍あり
未来につながるヒストリー

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 328頁 |
定価 | 3,850円 (本体:3,500円) |
ISBN | 978-4-622-08682-6 |
Cコード | C0000 |
発行日 | 2018年4月16日 |
電子書籍配信開始日 | 2018年6月22日 |
備考 | 在庫僅少 |

判型 | 四六判 |
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頁数 | 328頁 |
定価 | 3,850円 (本体:3,500円) |
ISBN | 978-4-622-08682-6 |
Cコード | C0000 |
発行日 | 2018年4月16日 |
電子書籍配信開始日 | 2018年6月22日 |
備考 | 在庫僅少 |
今とは違う、別の公共図書館がありえたのではないか、それが本書を生み出す母体となった研究会メンバーの共通の思いだった。近代公共図書館が欧米で成立してからまだ200年もたっていない。我が国においてある程度普及してきたのは100年程度の話だ。一般の人々や図書館関係者の間で公共図書館像の揺らぎがあっても何の不思議もない。近年の指定管理者問題や無料貸本屋論争を見ていると、そもそも公共図書館という制度は日本に根づいているのだろうか、という疑問もわいてくる。その一方で、書店や出版をテーマとする本と並んで、図書館に関する本が次々と出版されている。そこにはさまざまな背景を持つ人々の図書館に対する期待や不満、理想が込められているのだろう。残念ながらそれに対して、図書館界から、これからの新しい公共図書館像が提示されているようには思えないのである。そして、私たちが、その解決のヒントを得ようとしたのが、我が国の公共図書館史をもう一度見直してみることだった。そこに別の可能性、別の見方があったのではないだろうか。
(「まえがき」より)
〈歴史から見直す〉〈図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか〉〈本が書架に並ぶまで〉〈図書館界と出版業界のあいだ〉〈図書館で働く人々——イメージ・現実・未来〉〈貸出カウンターの内と外——オルタナティブな時空間〉〈何をしたかったのか、何ができるのか〉の全7章。
まえがき——公共図書館の「もうひとつの」可能性 (柳与志夫)
第1章 歴史から見直す (田村俊作)
1 新しい図書館・話題の図書館
2 無料貸本屋と武雄市図書館
3 図書館のはじまり
4 『格子なき図書館』
5 市民の読書施設へ
6 多様な担い手・多様な資源・多様な空間・多様な活動
第2章 図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか (小林昌樹)
1 近代「読書装置」の輸入——新聞縦覧所と書籍館の挫折
2 読書公衆の出現と図書館の増加(明治末—大正)
3 先進館の発展と多様性(昭和前期)
4 新聞・雑誌の扱い——そこで読めなかった本 雑誌のバックナンバー
5 ラインナップの標準化から画一化へ
6 戦後の画一化と、それにはまらないものたち
7 まとめ
第3章 本が書架に並ぶまで (鈴木宏宗)
1 本はそのままでは棚に並ばない
2 戦前の様子——大正末から昭和初期
3 戦後——物資が乏しい時代
4 図書館サービスの拡大——貸出と業務の外注
5 コンピュータ登場後——出版流通と情報と機械化
第4章 図書館界と出版業界のあいだ (柴野京子)
1 図書館と出版業界はいつもvs ?
2 1970年代の流通問題とジレンマ
3 本の流通、本の存在——1950年代のポテンシャル
4 越境する視点——1990年代の地域とコンピュータ、そしてデジタルシフト
第5章 図書館で働く人々——イメージ・現実・未来 (河合将彦)
1 「図書館員のイメージ」の歴史
2 「図書館員」の歴史
3 「図書館で働くべき人」の歴史
第6章 貸出カウンターの内と外——オルタナティブな時空間 (安井一徳)
1 公共図書館に対するイメージと実態
2 戦前の図書館はどう使われていたか
3 閉架・館内閲覧から開架・館外貸出へ
4 「貸出」図書館の展開
5 「貸出しカウンターモデル」を揺るがすもの
6 問題はどこにあったのか
7 オルタナティブな時空間を考えるために
終章 何をしたかったのか、何ができるのか (小田光宏)
索引
編者・執筆者紹介