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自由論【新装版】

FOUR ESSAYS ON LIBERTY


「ルソーのいう自由は、ある一定の領域内で干渉を受けないという個人の〈消極的〉自由ではなく、一社会の十全の資格ある全成員――そのうちのある成員ではなく――が公的権力を分け持つことであった。この公的権力はあらゆる市民の生活のいかなる局面にも干渉する権利を与えられている。十九世紀前半の自由主義者たちは、この〈積極的〉な意味における自由は、自分たちが神聖視しているすべての〈消極的〉自由を容易に破壊してしまうであろうということを、正しく見通していた。人民の主権は個々人の主権を容易に破壊しうるであろうことを指摘していたのだ。ミルは、民衆による支配〔統治〕は、かれのいう意味では必ずしも自由ではないということを、辛抱強く、反駁できないほどていねいに説明している。」(「二つの自由概念」)

『カール・マルクス』『ハリネズミと狐』『ヴィーコとヘルダー』などの著者、政治哲学者・思想史家バーリンによる「自由についての四つのエッセイ」。十九世紀と比較しながら〈問題自体を抹殺し〉、〈二者択一の心理的可能性を取り除く〉イデオロギーを論じた「二〇世紀の政治思想」、決定論と相対主義に批判を加える「歴史の必然性」、〈消極的〉自由と〈積極的〉自由の区別の重要性についての「二つの自由概念」、ミル著『自由論』の意義を強調する「ジョン・スチュアート・ミルと生の目的」の四エッセイほかを収録する。自由についての考え方が政治的にますます問われる21世紀の現在においても、改めて立ち戻るべき古典。

[初版1971年12月15日発行]


目次


序論  (小川晃一・小池銈訳)
二十世紀の政治思想  (福田歓一訳)
歴史の必然性  (生松敬三訳)
二つの自由概念  (生松敬三訳)
ジョン・スチュアート・ミルと生の目的  (小川晃一・小池銈訳)

付録 政治理論はまだ存在するか  (生松敬三訳)

あとがき   (福田歓一)
索引


著訳者略歴

アイザィア・バーリン
Isaiah Berlin

1909年ラトヴィアの首都リガに生れる。オックスフォード大学卒業以後、哲学の研究員としての道を進む。1942年以降ワシントンの、1945-46年モスクワの、各英国大使館に勤めたあと、オックスフォードの学究生活に戻る。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小川晃一
おがわ・こういち

1927年群馬県に生れる。1952年東京大学法学部政治学科卒業。北海道大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小池銈
こいけ・けい

1925年東京に生れる。1952年東京大学文学部英文科卒業。東京大学名誉教授。2004年歿。訳書 バーリン『父と子』(みすず書房、1977)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
福田歓一
ふくだ・かんいち

1923年神戸に生れる。1947年東京大学法学部政治学科卒業。東京大学名誉教授。日本学士院会員。2007年歿。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
生松敬三
いきまつ・けいぞう

1928年東京に生れる。1950年東京大学文学部哲学科卒業。元中央大学教授。1984年歿。著書『思想史の道標』(勁草書房、1965)『現代ヨーロッパの精神史的境位』(福村出版、1971)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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自由論【新装版】

「自由論【新装版】」の書籍情報:

四六変型判 タテ188mm×ヨコ131mm/536頁
定価 6,912円(本体6,400円)
ISBN 978-4-622-08727-4 C1031
2018年7月9日発行

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