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タコの心身問題

頭足類から考える意識の起源

OTHER MINDS

The Octopus, the Sea, and the Deep Origins of Consciousness




心は何から、いかにして生じるのだろう。進化は「まったく違う経路で心を少なくとも二度、つくった」。一つはヒトや鳥類を含む脊索動物、もう一つがタコやイカを含む頭足類だ。哲学者であり練達のダイバーでもある著者によれば、「頭足類と出会うことはおそらく私たちにとって、地球外の知的生命体に出会うのに最も近い体験だろう」。人間とはまったく異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを、彼らはもっている。本書は頭足類の心と私たちの心の本性を合わせ鏡で覗き込む本である。
海で生まれた単細胞生物から、現生の頭足類への進化を一歩ずつたどれば、そこには神経系の発達や、感覚と行動のループの起源、「主観的経験」の起源があり、それは主体的に感じる能力や意識の出現につながっている。「タコになったらどんな気分か」という問題の中には、心とは何か、それは物理的な身体とどう関係するのかを解き明かす手がかりが詰まっている。
知能の高さゆえの茶目っ気たっぷりの行動や、急速な老化と死の謎など、知れば知るほど頭足類の生態はファンタスティック。おまけに著者が観察している「オクトポリス」(タコが集住する場所)では、タコたちが社会性の片鱗を示しはじめているという。味わい深く、驚きに満ちた一冊。


目次


1 違う道筋で進化した「心」との出会い
二度の出会い、そして別れ
本書の概要

2 動物の歴史
始まり
ともに生きる
ニューロンと神経系
エディアカラの園
感覚器
分岐

3 いたずらと創意工夫
カイメンの庭で
頭足類の進化
タコの知性の謎
オクトポリスを訪ねる
神経革命
身体と制御
収斂と放散

4 ホワイトノイズから意識へ
タコになったらどんな気分か
経験の進化
「新参者」説vs「変容」説
タコの場合

5 色をつくる
ジャイアント・カトルフィッシュ
色をつくる
色を見る
色を見せる
ヒヒとイカ
シンフォニー

6 ヒトの心と他の動物の心
ヒュームからヴィゴツキーへ
言葉が人となる
言語と意識的経験
閉じたループへ

7 圧縮された経験
衰退
生死を分かつ問題
老化の進化理論
長い一生、短い一生
幽霊

8 オクトポリス
タコが集住する場所
オクトポリスの起源
平行する進化


謝辞
訳者あとがき
原注
索引


著訳者略歴

ピーター・ゴドフリー=スミス
Peter Godfrey-Smith

1965年シドニー生まれ。シドニー大学科学史・科学哲学スクール教授、およびニューヨーク市立大学大学院センター兼任教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
夏目大
なつめ・だい

1966年、大阪府生まれ。翻訳家。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

首藤淳哉(ラジオ番組プロデューサー)
<AXIS 2018年12月11日>
冬木糸一(異なる道筋で進化した「心」を分析する)
<HONZ 2018年12月16日>
伊藤亜紗(東京工業大学准教授、美学者)
<読売新聞 2018年12月16日>
吉川浩満(文筆家)
<日本経済新聞 2019年1月12日(土)>
野矢茂樹(立正大学教授・哲学)
<朝日新聞 2019年1月19日(土)>
岡本拓司(東京大教授)
<信濃毎日新聞 2019年1月27日(日)>
布施英利(美術批評家)
<週刊読書人 2019年2月8日(第3276号)>
最相葉月<北海道新聞「鳥の目 虫の目」 2019年2月17日(日)>
風野春樹<本の雑誌「サイコドクターの日曜日」 2019年3月号>

関連リンク

この本の関連書


「タコの心身問題」の画像:

タコの心身問題

「タコの心身問題」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/312頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-08757-1 C0045
2018年11月16日発行

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